川は近いが水は遠い?先人たちの知恵と、四万十川の清流が作る米。

実は米どころ四万十。上流から下流まで広くお米が作られていますが、特に盛んなのが中流域の高南台地エリアです。昼夜の寒暖差が大きく、雨が多く霧が頻発するこの地域では、上質なお米が作られます。一方でこの地域は、川の高低差が少ないため容易に水を引くことができず、昔から農業用水や堰を苦労して整備してきた歴史があります。

大野見米や仁井田米など、四万十のお米は香るのが特徴。特に四万十町十和で生まれた十和錦は香りが強く、炊きあがりの良い香りが食欲をそそります。

四万十の幸と一緒に食べれば…それだけでもう最高の食事です。

川は近いが水は遠い

中土佐町大野見は米どころとして有名。昼夜の寒暖差が大きく、霧もよく発生するうえ、四万十川に流れ込むきれいな山水が育む良質なお米は、香りが良く粒立ちもいいと評判です。
そんな自然条件にも恵まれている大野見ですが、実は一つ、難点がありました。それは水の確保です。四万十川が流れているのに、なぜ水の確保が大変なんだろう、と思う方もいらっしゃるでしょう。大野見では昔から「川は近いが水は遠い」と言われ、川の高低差が少ないため田んぼに水を引くのにとても苦労したと言われています。そこで灌漑工事に力を入れ、堰をつくって水路を張り巡らせることで何とか田んぼに水を届け、米作りに励んできました。そのため、大野見には頭首工と言われる堰が多く、四万十川本流にある13の堰のうち、6つが大野見にあります。
上の写真は四万十川の支流、島の川渓谷にある奈路堰です。ここから、下の奈路地区や槙野々地区まで水路が引かれ、広い水田を潤しています。

行き場を失った川が作った台地

四万十町窪川に広がる高南台地。ここは平地の少ない四万十川では珍しく、比較的広い平地が川の両岸に広がり、そんな広い土地を利用した稲作が盛んなエリアです。田んぼが広がる風景はこのエリアの特徴と言えるでしょう。ではなぜ、平地が少ないはずの四万十川でここだけこんなに平地が広がっているのか。それは先ほど出てきた「近くて遠い海」が関係しています。はるか昔、四万十川は今のように西に向かって流れるのではなく、直線的に南に流れて四万十町興津、または黒潮町佐賀に流れていたと考えられています。しかし、窪川あたりで山が隆起したことによって流路がふさがれた四万十川が、行き場を失いこの広い平地を生み出したのではないか、と考えられています。

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