32.カワヨシノボリ
ハゼ科
Rhinogobius flumineus
ほっぺの斑点が目印 川で一生過ごすヨシノボリ
基本情報
【全長】
6cm
【生息地】
富山~静岡県以西本州、四国、九州北部、長崎対馬及び五島列島。
渓流~上流域。他のヨシノボリと異なり純淡水性。比較的流れの緩やかな転石の多い浅瀬を好む。
湖、池には生息しない。また、河川がダム湖などの止水域になるといなくなる。
【体】
四万十川水系産ヨシノボリ類中の最小種。
ヨシノボリ類は胸鰭に吸盤があり、上唇が厚く、頬がふっくらとして鱗がないことが特徴である。
他のヨシノボリとの見分けとして、ほほに小さな暗色斑が広がり、胸鰭が15~17と少ない。
【生態】
一生を淡水中で過ごすことから、「カワ」が名前についている。
源流域でオオヨシノボリと混生するが、カワヨシノボリはより浅瀬を好み、オオヨシノボリは淵を好みすみわけができている。
産卵期は5~8月。メスは腹部が黄色に、オスは全身が黒くなる。砂に埋まった石の下に大型の卵を産み付け、オスが保護する。
【食性】
付着藻や小型水生昆虫を食べる。
【味】
ヨシノボリの中で一番美味しい。つくだ煮や唐揚げにすると良い。
≪参考資料≫
・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター
・日本の淡水魚 山と渓谷社
・四万十川の魚図鑑 いかだ社