42.クロダイ
タイ科
Acanthopagrus schlegelii
釣り人に大人気のチヌ
【全長】
60cm
【生息地】
琉球列島を除く北海道以南の日本各地。岩礁性の内湾及び、汽水域、漁港。
クロダイ属は最も内湾を好み、餌を求め純淡水の川に遡上することもある。
【体】
四万十川水系のタイ科では最も体高が低く、口がとがる。
キチヌに似るが腹・尻ビレは黄色にならない事から見分けられる。
体色は銀灰色で黒色横帯がある。
【生態】
夜行性。
夏、キチヌと入れ代わるように多数の幼魚がヘダイとともに河口のアマモ場に遡上する。幼魚は群れで行動する。
産卵は春~夏。
クロダイ属は、面白い性を持つ。小さいときはオスで、3年ほどで雌雄が分かれ、成熟すると分化する。これを雌雄同体という。クロダイの場合は、子供のころから精巣と卵巣の両方を持って生まれてくる。先に精巣が成熟し、後に卵巣が成熟する。しかし、一部には一生オスのままで大型の精巣を持ち、メスにならないものもいる。
【食性】
エビ、カニ、海藻、スイカなどの果物を食べる雑食性。前歯に犬歯があり、奥歯には臼歯がある人間のような構造を持つ。
≪参考資料≫
・四万十川の魚図鑑 いかだ社
・市場魚貝類図鑑
https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%A4
・『海のはくぶつかん』1994年7月号
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/sectu/kaihaku/umihaku/vol24/v24n4p4.html