45.ゲンゴロウブナ
コイ科
Carassius cuvieri
【全長】
40cm
【生息地】
琵琶湖・淀川水系原産。現在、移植により全国各地に分布する。池沼、河川の流れの緩やかな所で見られる。環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類
【体】
フナ類では最も体高があり、頭部から続く背部が著しく盛り上がる。
側線より上の体側に数本の暗色縦条が走る。
鰓耙(さいは)という魚のえらの一部で濾過器官となっている部分があるが、それが他のフナより著しく多い。泥と一緒に吸い込んだ植物プランクトンを濾しとって食べるのに適している。
【生態】
産卵は春。大雨で冠水した水田で、一尾のメスを複数のオスが追尾し放卵に合わせて一斉に放精する。
卵は植物などに付着し水温20℃では4~5日で孵化する。
【食性】
仔魚時は、動物プランクトンを食べ、のちに付着藻類を食べるようになる。
成魚になると、植物プランクトンを食べる。
日本産魚類の中で分類するのが最も困難なグループ
フナの分類は非常に難しい!!
専門家によって見解も違うため、形態形質のみで同定することはほとんどできない。
フナの分類でみるポイントは①体高比、②背鰭分岐軟条数、③鰓耙数である。
その中でもゲンゴロウブナは鰓耙数が異常に多いため同定しやすい。
鰓耙はエラの一部で、内部にあるためエラブタ付近を解剖しないと見ることができない。
背鰭分岐軟条数とは背鰭の枝分かれした軟条の数であり、それを一つずつ数えなければいけない。
基底部で分岐して2本に見える場合もあるので注意!
体高比は体長÷体高で求めます。体高は肉付きや卵の有無で変化するため分類の決め手には欠けます。
というように
なかなか、見た目での判別は難しい・・・
コイとフナの違いが分かれば御の字かもしれない。(コイにはひげがあり、フナにはない!)
≪参考資料≫
・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター
・日本の淡水魚 山と渓谷社
・四万十川の魚図鑑 いかだ社
・フナ類 日本淡水魚類愛護会