66.トサカギンポ

66.トサカギンポ

イソギンポ科

Omobranchus fasciolatoceps

唯一無二のトサカと表情が愛くるしいトサカギンポ

【全長】

7cm

【生息地】

富山湾、東京湾、瀬戸内海、土佐湾。河川内では河口域に生息するが、簡単に観察することはできない。周辺の漁港などではよく見られる。

エサが豊富に集まる内湾のカキ殻が密集した「カキ殻マンション」に好んで棲む。

【体】

頭頂部にあるトサカ状の突起が最大のチャームポイント。

これは「皮弁」といい、皮質が変化した毛状突起なのである。役割はわかっておらずカモフラージュではないかと言われている。

体の大半がヤマブキ色で頭頂側面に白と黒の明瞭な横縞があるが、カキの中で身を隠すため。

体にうろこがなくヌルヌルしている。

上下のあごに鋭い牙が2本ずつあり、かまれると痛い。

魚とは思えない表情が面白い。

【生態】

四万十川では柴漬け漁で混獲される。

河川内での記録は少ない。

漁港ではカキが張り付いた壁面を縫うように移動しながらの摂食行動が見られる。

ギンポ類と混生していることが多い。

繁殖は夏で、カキ殻の中に産卵しオスが保護する。

【食性】

動物食性。

甲殻類やゴカイ、エビ、アサリを食べる。

≪参考資料≫

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・雑魚の水辺