67.ドジョウ(①)
67.ドジョウ(②)

67.ドジョウ

ドジョウ科

Misgurnus anguillicaudatus

【全長】

15cm

【生息地】

日本全国で見られるが、自然分布は本州、四国、九州。泥深い池沼、みぞ川、湿田、水田などで見られる。

【体】

体形は細長い。5対の口ひげがある。尾ビレはウチワ状。体表はぬめりが良い。体色は背中が褐色で、腹が黄褐色。頭~尾まで濃褐色の不規則斑が散在する。

【生態】

泥中に潜む。腸呼吸の際に水面まで姿を見せる。

驚いたときに体を左右にくねらせて素早く泳ぐこともある。

春から初夏の増水時に産卵のため水田に入る。産卵床は水草の間や水田の切り株などで水生植物との関係が強い。産卵行動としては、オスが水底でメスが来るのを待ち、数尾のオスが1尾のメスに吸い付く。メスの腹部にオスが巻き付いて締め上げて産卵する。

幼魚は梅雨期に多くなる。

冬は冬眠する。頭から泥中に潜入して冬眠。1尾ずつ個別に冬眠するが、乾燥した場所では塊になる。土中の水分や体から出る粘膜が乾燥を防ぐ。

【食性】

雑食。イトミミズなどを食べるが、大きくなると茎、根、葉を食べ動物食が減る。

ドジョウの腸呼吸とは。

ドジョウは水面上の空気を飲み込み、肛門から気泡を放出する「腸呼吸」を行う。飲み込んだ空気が腸を通り、腸の毛細血管から酸素が取り込まれ炭酸ガスになって排出されるのだ。

この呼吸は、直腸の排出運動を活発にしていると言われているが、確かではない。

ドジョウは、腸呼吸だけでなくエラ呼吸と皮膚呼吸も行っている。

ある実験では、止水状態で溶存酸素濃度を減らすと、腸呼吸が増えるが、長く生きられないことが分かった。

腸呼吸は、エラ・皮膚呼吸の補助的な役割でしかないようだ。

しかし、溶存酸素が少ない状態でも生き延びることができるため、呼吸の手段が多いのはドジョウの優位性である。

≪参考資料≫

・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター

・日本の淡水魚 山と渓谷社

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・水産増殖15(3)「ドジョウの呼吸について」