68.トビハゼ
ハゼ科
Periophthalmus modestus
【全長】
10cm
【生息地】
東京湾以西の本州、四国、九州、太平洋岸、瀬戸内海、沖縄本島以北の南西諸島。泥深く、河口干潟。
【体】
体色の淡褐色。体側は水色がかっている。
背面には「く」の字型をした濃褐色の斑紋がある。
上方に突き出た眼とよく発達した胸鰭がが特徴。
【生態】
活動時間の大半を水上で過ごす特異な習性。陸上では皮膚呼吸をする。
干潮時には摂食のため干潟上を活発に這い回る。泥の表面にいる小動物を餌にする。縄張り意識が強く、他の個体が近づくとジャンプして攻撃している様子がよく見られる。
4~10月が活動期で11~3月は休止期。繁殖期は春~夏にかけて。オスは泥に穴を掘って巣を作り、求愛ジャンプでメスを誘う。夏の終わりごろから干潟上に全長2㎝程の幼魚が現れる。
冬期、成魚を目にすることがまずないが、幼魚は晴天の穏やかな日によく姿を見せる。
捕獲飼育は禁止!
トビハゼはある地域では絶滅危惧種に指定されるほど数が少ないが、四万十川水系では生息地が数カ所あり、いずれの場所でも個体数の減少が感じられないのだ。
しかし、多くの希少野生生物が生息する河口干潟の保全を目的に2007年8月1日付けで高知県野生動物植物種に指定され、無許可での捕獲飼育が固く禁じられている。
≪参考資料≫
・日本の淡水魚 山と渓谷社
・四万十川の魚図鑑 いかだ社