はたのおと(hatanote)とは…
 高知県西部幡多地域をフィールドに、さまざまな分野の専門家たちがそれぞれの目線から幡多を探求し、発信する研究会。名前には「ノート(探求)」と「の音(発信)」がかかっている。

財団も参加しているはたのおとで、またまた新たなプロジェクトが始動するとのことで、早速参加してきました!

今回始まったプロジェクトは「みんなで作る 四万十流域風景図鑑」、通称さとはた。幡多の景色をいろんな視点から丁寧に見て、その土地独特のおもしろさ(価値)を考えてみようというプロジェクトです。リーダーはブラタモリで有名、四万十市の川村さん。文景協でもものすごーくお世話になっております。四万十川流域の文化的景観でも、流域や集落の価値について考えることが今すごく課題になっているので、その勉強もかねて行ってきました。

今回の調査対象地は、四万十町にある里川という集落。山の中にポツンとできたすり鉢状の地形に広がる何とも不思議な集落です。

調査の最終目標は、プロジェクト名の通り、図鑑を作ること。いろんな分野の人たちが見た地域の気になるを解明し、さとはた独自の地域図鑑を作ります。初回の今回は、里川の「気になる!」をみんなで探しに行きました。

調査には地元住民の方々にもご協力いただきました。長年里川で暮らし、里川の歴史、文化に詳しい方たちばかりです。

挨拶をすませ、いよいよ作業開始。3つのグループに分かれて作業を行います。まずは地図で見る里川の気になるを探してみました。地図だけでもいろんな気になるが浮かんできます。すり鉢状の地形はどのようにして生まれたのか、水利用はどうしているか、他の集落との交流はあったのか、茶堂もあり往来する人がいたのだろう、ではその人々は何をしに訪れていたのか…

気になるがたくさん出たところで、さらに気になるを探しに今度は地域の方々と一緒に集落を散策。集落を歩いてみたことで、昔はシイタケ栽培が盛んだったこと、炭窯がいくつもあったこと、お茶農家も多かったことなど、かつての集落の様子を窺うことができました。

でもそれも気が付かなければ何にもないこと。この造り変わってるな、この構造物は何のためにあるのだろう、そういう「気になる」をちゃんと捉えることができる目が必要だと感じました。あとそれをちゃんと住民に聞いてみること。何気ない景色も少し掘ってみると地域の大事な歴史が見えてきます。今回住民の方と一緒に回ったのでとても簡単にそれができました。そしてそれをちゃんと記録しておくのも大事。

疑問はこれからの探求の中で明らかになっていくはず。これからにこうご期待。