3月17日(日)に高知工科大学で行われた「~物部川に感謝する日~つながっちゅうがで物部川」に行ってきました。高知県の東部にある物部川は、高知県に4つある一級河川の一つで、南国市、香南市、香美市を流れます。流域には紅葉のスポットとしても人気があるべふ峡や、日本3大鍾乳洞の一つである龍河洞があり、県内外から観光客が訪れます。そんな物部川が今抱えている問題やその原因について、楽しみながら学ぶことができましたのでご紹介いたします。
イベントでは「学びの時間」「ごはんの時間」「楽しみの時間」にわけてさまざまなプログラムが企画され、その全てを通して物部川について学ぶことができました。
まず行われたのが物部川の長期濁水についての意見交換会。物部川の長期濁水は深刻な問題で、今年は濁水のストレスによる冷水病の発症により多くの鮎が流されたと考えられています。また、鮎だけでなく、農作物に泥がついたり、沿岸が濁水で濁り海藻が育たなくなるなど、農業や漁業にも影響を及ぼしているそう。濁りが続く原因は、大雨による山腹崩壊で流出した土砂がダムにたまること、ダム湖に流入する本流・支流が多くの土砂を含んでいることがあげられ、ダム湖の土砂の堆積によってダムの貯水機能が低下するなど、濁水以外の影響も考えられるとのこと。対策として、「浅水代掻」の推進や、ダム湖にたまった土砂の除去を行っているそうですが、清流再生に向けた根本的な対応策はまだ固まっていない状況だそうです。かつては鮎漁が盛んで、農業の発展などこれまで流域に多くの恩恵をもたらしてきた物部川。恩恵を忘れず、「天然アユが湧き立つ川」を目標に、流域住民一体となって動いていく必要性を確認しました。
また香長小学校、楠目小学校による学習発表会では、子ども達が調べた物部川の問題について劇をとおして発表し、鹿による食害で森林が荒らされていることや、それに対して自分たちが行ってきた取り組みについて教えてくれました。とってもよく調べられていて、鹿に食べられないよう稚樹を守る活動や植林活動を実際に行ってきたということにただただ感動。子ども達が真剣に物部川の問題について取り組んでくれることは、流域にとっても嬉しいことなのではないかと思います。
その他にもパネル展示や物部川クイズ(当選者にはかなり豪華な景品が送られてました)、ミュージカルと、物部川について楽しみながら学べる企画がたくさん。先ほどの意見交換会で答弁なさっていた方がミュージカルでは熱唱していたり 笑
ご飯は無料で鹿カレー、鹿の焼肉、鹿のお味噌汁が振る舞われたくさんのお客さんで大賑わい。またその他にも鹿バーガーや柚子の加工品の販売など、「物部感」を存分に感じられるようなラインナップでした。わたしは鹿バーガーをいただきましたが、(買って即効で食べちゃったので写真はありませんが)めちゃめちゃ美味しかったです。来年はカレーも食べたいな…
今回はじめて参加させていただきましたが、驚いたのは来場者の多さ。環境団体や企業など、そもそもイベントに関わっている団体が多いのと、小学生の発表があるので保護者の方々の参加もあるのでしょうが、それにしても賑わっているなという印象でした。川のイベントにあれだけ子ども達が参加しているのはとっても羨ましいですね。