やくみつるさん、左古文男さんと行く昆虫採取ツアー@トンボ王国に参加しました。

最初に、やくみつるさんの四万十市観光大使委嘱式があって、委嘱状、名刺が中平正宏四万十市長から手渡されました。やくさんからは、「大使となったからには使い倒してください。」という頼もしいお言葉をいただきました。

委嘱式に続いては、やくさん、左古さん、とんぼ公園の杉村さん3人からの「昆虫○×くいず」。それぞれ問題が出され、子供たちが参加しました。いずれもなだたる虫オタクの皆さんからの出題ですから、難易度がすごいです。

皆さんも挑戦してみてください。

○ 左古さんからの出題
1 馬大頭で「オニヤンマ」と読む。○か✖️か。
2 オニヤンマのメスはオスより小さい。○か✖️か。

○杉村さんからの出題
1 ムカシトンボはとまる時、翅を閉じてとまる。○か✖️か。
2 トンボには暑くなると逆立ちするものがいる。○か✖️か。
3 エゾトンボ科にミナミトンボというトンボがいる。○か✖️か。
4 トンボは飛ぶ時、前後の翅を別々に動かしている。○か✖️か。
5 ムカシトンボは発見された当初、ギフヤマトンボという名前だった。○か✖️か。

○やくさんからの出題
1 カブトムシとコガネムシは同じカブトムシ科である。○か✖️か。 2 モンシロチョウの紋は白い。○か✖️か。
3 セミは翅をこすって鳴いている。○か✖️か。
4 蚊の蛹は俗にヒメボウフラという。○か✖️か。
5 高知市にいる特別天然記念物の蝶はアオスジアゲハである。○か✖️か。
6 触覚を英語でantennaという。○か✖️か。

いずれも子供対象の問題とは思えない難しさ。 ちなみに正解は以下の通り。

左古さん 1○ 2×

杉村さん 1○ 2○ 3○ 4○ 5×サナエダマシと名付けられました

やくさん 1○ 2×黒ですよね 3×おなかで鳴いています 4×角があるみたいに見えるので「オニボウフラ」といわれたりします 5×ミカドアゲハが正解です 6○

○×クイズに続いてトンボ公園内のトンボ観察。オオイトトンボ・モートンイトトンボといった希少なトンボを観察しました。

モートンイトトンボ ♀未成熟個体 トンボ王国ミニガイドより

これらのトンボは、30年前には全国どこでも見られたものですが、現在オオイトトンボは四国ではこことあと三カ所、モートンイトトンボに至ってはここトンボ公園と徳島の黒沢湿原でしか見られなくなりました。この種は山間の流水湿地に生息するトンボなので、中山間地の田圃の荒廃が減少に拍車をかけています。

昼を挟んで、午後からは竹屋敷川を遡ってムカシトンボの採取をしました。

ムカシトンボは 中世代に栄えたトンボの一群で、いわゆる「生きている化石」と呼ばれ、現在では日本とヒマラヤにそれぞれ1種ずつ分布しているにすぎません。 ヤゴの期間が長く、成虫になるまで5~8年かかるといわれます。

ムカシトンボ♀ トンボ王国ミニガイドより

ヤゴの期間が長いこのトンボがいるということは、その場所が長い期間水質が保たれていた証拠です。 杉村さんによれば、このトンボが住む水は飲めるくらいきれい(もちろん煮沸等が必要です)だということです。

ところがこのトンボも減少の一途をたどっています。原因は、やはり中山間地の田圃を作らなくなったこと。ムカシトンボは川岸近くの生きた植物にしか産卵できませんが、かつて裾刈りで管理されていた川岸がブッシュと化し、それが枯れる。あるいは樹林化することで産卵ができなくなります。中山間地の荒廃は、こんなところにも影響を及ぼしています。

杉村さんは「四万十川の危機は山から」といつも言いますが、全く同感です。私たち四万十川財団は、四万十川の保全と振興を目的とした活動をしていますが、保全といっても本流に直接影響を及ぼすような大きなことはできません。私たちの仕事は、こうした四万十川の末梢を守る、生態系の底辺を支える・豊かにすることだと考えています。中山間地の耕作放棄地の問題に何ができるのか、引き続き考えていきたいと思います。