私たち四万十川財団は、子どもたちの川遊びを推進する立場から、水辺の安全確保についても取り組んでします。一昨年から、(一社)水難学会と協力態勢を取り、同学会が行っている「ういてまて」の普及にも取り組んでいます。

6月8日(土)に東京海洋大学越中島キャンパスで総会・学術総会が会ったので参加しました。特に学術総会は、参考になる発表が多かったのですが、その中から特に考えさせられた発表について、いくつか取りあげてご紹介します。

泳法教育から水中安全教育へー教員との関わりを考えるー

発表者は朝日海洋開発の安倍志摩子さん。学校の先生方にういてまてを習得してもらえれば、現在の出張授業形式の指導より子ども達に考え方、技術を伝えやすいということについて分析していました。学校の先生方に本活動の趣旨をどうやって理解していただき、協力してもらうかが今後の大きな課題だと皆で確認しました。これは四万十川の課題でもあります。

水辺のチェーン・オブ・サバイバルについて

発表者は三郷市消防本部の佐竹洋二さん他。

救急救命におけるチェーンオブサバイバルと同じように、水難事故時のチェーンオブサバイバルの設定が必要ではないかという提案。会場からはその順序や起こりうるケースごとの順番等、様々な意見が出されましたが、大切なのは細かい順番ではなく、多少前後しても一通りの手続きを行えることだと思います。

水難事故現場における再発予防策の検討

発表者は製品安全コンサルタントの井上泰さん。

ごく簡単に言うと、「危ない」とか「遊泳禁止」とかいうメッセージを提示するだけではダメで、それが来る人にきちんと届くかをもっと考え工夫する必要があるのではないか、という発表でした。四万十川でも事故が頻発する場所があって、そこにはもちろん注意喚起を促す掲示があるのですが、この観点から見直す必要があると感じました。

総会後の情報交換会でも、水難学会役員のみなさんにこれからも四万十川の水難事故撲滅に向けて協力していただけるようお願いし、快く引き受けていただきました。水難事故0を目指し、これからも活動していきます。