牧野植物園長 水上元先生による「食べ物で病気の予防や治療は可能か〜東洋医学の立場から考える」
第五回防災植物協会総会に出席しました。今回の記念講演は、牧野植物園長 水上元先生を招いての講演会。題名は「食べ物で病気の予防や治療は可能か〜東洋医学の立場から考える」でした。
(1)薬食同源か食薬区分かー薬のルーツを探る
(2)食物で病気は治せるか
食べ物と同じものを使って病を治すことは古くから行われている。
周礼ではでは医師の位の2番目に「食医」が出てくる 神農本草経の上薬にも多くの食物が見える 誰もが知っている葛根湯のうち、赤字が食物としても利用しているもの 「傷寒論」所収112種類の漢方薬の生薬の内、ベスト5のうち4つまでが食べ物 漢方薬はあまり効かない、効きが遅いというふうに思っている人もいるかもしれないが、
たとえば大腸ガン手術後「大建中湯」を服用すると明らかに回復が早いという研究結果が
あり、広く一般的に服用されている。パニック障害等に非常に効果が高い甘麦大棗湯 その生薬がこの三つ。いずれも食物としても利用されている。 左は柿のへた 2018年に発表された研究によると、この薬は特に抗ガン剤治療などで副作用として起きるしゃっくりに効果があるという。 漢方というと効果が出るまで時間がかかるイメージがあるが、
この薬は服薬してから1~2日で効果が出る。
(3)食物で病気は防げるか
【実験1】 緑茶が肺ガンに及ぼす効果の実験結果 (1)肺ガン発生率の減少には至りませんでしたが、
(2)循環器疾患による死亡率を低下させることや
(3)全死亡率を低下させる、つまり緑茶をまいにち飲む人ほど
長生きする傾向にあることが分かりました。【実験2】 緑茶と認知症の関係を調べた実験結果 上のように、緑茶を毎日飲む人は認知症を発症しにくいことが分かりました 【実験3】 緑黄色野菜とガンの発症について 一方である栄養素ばかりを集中して摂取すると逆の効果も
【実験4】イソフラボンを毎日150㎎摂取したグループに
婦人科系の疾患が発症摺る傾向がでた。
食品として取る分には問題なし【実験5】ベータカロチンの介入実験 多すぎるベータカロチンは肺ガン発生を助長することが判明
だからといって特定の栄養素ばかりをサプリメントなどで集中して取ることには
注意が必要だと言える、というお話しでした。
※本講演記録は神田が講演を解釈して記録したものであり、先生のご講演内容と若干のずれがあるであろうことをご了承の上お読み下さい。