えこらぼ主催の貝類観察会に参加してきました。場所は 鏡川の潮江橋~鏡川大橋までの干潟です。タケノコカワニナ(県外では絶滅危惧種),カノコガイ,マガキ,ヤマトシジミなどの在来種と,浦戸湾で大繁殖している外来種のコウロエンカワヒバリガイなどが観察できるとのこと。楽しみです。
講師は生物多様性こうち戦略推進リーダーで、自然観察指導員、高知県希少野生動植物保護専門員でもある 三本健二さんです。
左がマガキ、右がニュージーランドガキ(和名:オハグロカキモドキ)です。見分けるポイントは貝殻の縁で、縁がなめらかなのがマガキ、ギザギザがあるのがニュージーランドガキです。
続いて見つけたのがヤマトシジミ。
ヤマトシジミ
純淡水に生息する「マシジミ」というシジミもいて、見た目で区別するのは至難の業だそうです。この二つは生息域で区別したほうが手っ取り早い。汽水域ならヤマトシジミ、淡水ならマシジミです。
お次はカノコガイとイシマキガイ。三本先生が護岸から指さして言いました。「ほら、カノコガイだらけでしょ。」
指さした先はこんな感じ・・・・。
え、見つからない?
これなら分かりますか?
キノコ採りには「キノコ眼」という言葉がありますが、貝も同じ。貝眼にならないといけません。答えは以下の通りです。
だんだん川を下りながら貝を見つけていきます。
次。葦の中にいるこの貝が、カワザンショウガイです。
中央左上にあるのがカワザイショウガイ
探す気で見なればまず見つからない大きさです。
そして、タケノコカワニナです。高知県では”注目種”ですが、他県では絶滅危惧種とのこと。一般的なカワニナより、ちょっと「たけのこの里」感が強いです。
本当はこの後、カキの貝殻に隠れてくらしている「カキウラクチキレモドキ」も観察しましたが、あまりに小さくて撮影に失敗しました。残念。
それからおなじみのアサリ。本来海水の貝でなので汽水域ではあまり大きくなれないそうです。
最後に橋脚についた貝が「層状分布」しているのを観察して終了です。下から、カキ類、コウロエンカワヒバリガイ、フジツボ類の順に棲み分けしています。ちなみに、コウロエンカワヒバリガイは発見当初、新種として和名が付きましたが、のちに外国ですでに記録されていることが分かりました。オーストラリア・ニュージーランド原産の外来種です。
そうそう、ハイガイの貝殻も見つかりましたよ。この貝は高知でははるか昔に絶滅した貝で、昔これを焼いて石灰を取っていたのでこの名がついたそうです。
奥深いですね、貝の世界。
これにて観察会は終了。皆さんお疲れさまでした。
四万十川の干潟で学習会をすることもありますが、貝類、カニ類はまだまだ勉強する必要を感じています。改めてきちんと学ぶと、やっぱり面白いですね。