「根元原(ごんげんばら)に鴨がたくさん来てるから、新しい観光資源にしようと思う。生態系トラスト協会の中村会長をよんで勉強するから、来んかえ?」昨日、四万十町観光協会会長の池田十三生(とみお)さんからお誘いがありました。トミさんは、四万十川上流淡水漁協の組合長でもあり、実は財団の評議員でもあり、植物の専門家であり、四万十町の文化的景観整備活用委員会の委員でもあり、ようするに、何でもできる人です。

先日自宅庭にあるハッサクを持ってきてくれた時の一コマ。分ると思いますが右がトミさん。

ここは四万十川の支流、仁井田川ですが、禁猟区になっているので水鳥がたくさん集まります。マガモやカルガモは、夜田んぼなどに上がって二番穂などの穀物類を主に食べているそうですが、昼は鷹の襲撃が怖いのでこういった水辺にいて休んでいます。

今日は残念ながらあまり近くに来てくれませんでしたが、確認できた鴨は以下の通り。

・マガモ・コガモ・ヒドリガモ・オナガガモ・カルガモ・キンクロハジロ

キンクロハジロは水底の貝類を食べているとか。このあたりならシジミでしょう。

鴨を観察した後は、かつて窪川の町に入る人はみな通った呼坂(よぶさか)峠越えの道へ。行ってから知りましたが、高知から来てくれたお客さんがあって、今日はその案内がてらなのだとか。せっかくなので同行させてもらいました。

呼坂峠は、ジョン万次郎、牧野富太郎、そしておそらく若き日の坂本龍馬も歩いた道で、明治26年には自動車の通れる道も通りました。呼坂という変わった名前の語源は、長曾我部元親が投降を呼びかけたからとも、ここがかつて坂迎(さかむかえ)の場だったからともいわれます。

希少種サカワサイシン。カイナンサラサドウダンツツジ、コバンノキもあります。
峠からは、四万十川の源流、不入山の姿も

頂上に出ると、窪川の町が一望できます。左が茂串(しげくし)山、その奥が添串(そえくし)山、さらに奥は西原城址。右の丘陵が窪川山内氏が築いた古渓城(こけいじょう)址。

      

窪川は霧の町なので、朝のここからの眺めは雲海みたいでとても綺麗です。残念ながら写真はありません。

このあたりから道が急に広くなりますが、この道は参勤交代に使われる道ではなかったので、
7尺5寸幅でよかったんだそうです。

ここから峠を降りて、

遍路石を見たり、

窪川のソウルフード、みなくち天ぷら店のイモ天を齧ったり、

琴平川の四万十方式浄化槽を見てもらったりして、

窪川の名店、喫茶純の横を通って(本当はこの前に広見堂という洋菓子屋でお菓子を買った)、最後は四国88か所札所、岩本寺参道にある松鶴堂でお茶をいただいて今日の行程は終了。

この町の新たな魅力を知りました。トミさん、四万十町観光協会のみなさん、ありがとうございました。