*四万十川の家地川堰堤より下流および津賀ダムより下流では、1年を通して水中眼鏡を使用してのアユ漁が禁止されています(高知県内水面漁業調整規則第27条)。今講習会ではしゃくりを観察するときだけ水中眼鏡を使用し、しゃくり実践の際は「箱めがね」「たこめがね」を使用しています。

四万十川大人塾、第4回目です。四万十川を先生に、舞台に、四万十川を学ぼうという企画で、今年のテーマは川漁。鰻、川エビと来て、ついに鮎を狙います。

第3回目の投網漁は、増水と稀に見る大雨で中止になりました。とても残念でしたが、別の機会を作るということで、1回とばして、今回は「しゃくり漁」に挑戦しました!

*しゃくり漁とは・・・

しゃくり漁は、目の前の鮎を竿の先端にある鉤でひっかけて獲る漁法です。鮎と同じ目線になって一対一で対峙するので、川の中にどっぷりつかり鮎を追いかけます。鮎との真剣勝負が面白く、鮎をしゃくれた瞬間は格別なものです。必要な物は、しゃくりの竿と箱めがねだけ。あとは、自身の体一つあれば良いという手軽な漁法ですが・・・難易度は何よりも高く、天性のセンスも必要です。鮎の習性・行動・速さなど全てをある程度分かっていないと思うように行きません。その分、奥深く、非常に面白い・・・。ハマると大変です。

藤の川のしゃくりといえば・・・

今回の舞台は、四万十川支流の藤の川です。四万十川大人塾では2度目の登場。そして、今回の講師も仙人になりたい「武内幸男(たけうちゆきお)」さんです!!!この四万十市西土佐地域でしゃくりといえば藤の川。藤の川といえば武内さんです。今回もよろしくお願いします。

武内幸男さん

実は、今回、武内さんの相棒である「阿部敦雄(あべあつお)」さんもお手伝いいただく予定でしたが、急なお怪我のため川に行けなくなり、残念ながらご参加いただけなくなりました。また、別の機会でよろしくお願いします!!!

阿部敦雄さん

※水中の様子を観察する時だけ水中眼鏡を使用しています

しゃくり漁を知る

毎回、天気に悩まされるこの企画ですが、今回もなんとも微妙な天候でスタートです!!!雨が降るギリギリ手前の時間を狙って何とかスタート。(次の日からかなりの雨が降りました・・・)

しゃくり漁とは何?ということで、武内さんからしゃくり竿のこと、しゃくりの方法を教えてもらいました。

しゃくりの竿は、みんな自分で作っていたといいます。人によって作り方が違い、こだわるポイントも様々です。武内さんの竿は、手元側の半分が竹で、先の半分が鉄の棒を細工しています。というのも、竹だけだと川の中で浮いてしまい、鮎を狙いにくいからだそうです。先端についている鉤もまき方があり、テグスできれいに巻き上げます。すぐに取れてしまうので、予備も何個か持ち歩きます。腰に鮎を活かしたまま持ち歩けるバック(友バック)をつけて移動しますが、その中に予備の針を入れておきます。

今回は「せぐみ」という珍しい漁についても教えてもらいました。大きな網をかまえて、川を下ってくる鮎をすくい獲る漁法です。鮎が自然に入ってくるように、川の中の石を並べかえます。鮎の気持ちになって、こう泳いでくるだろうと想像することがポイント。

※水中の様子を観察する時だけ水中眼鏡を使用しています

鮎をしゃくりたい!

早速、川に入って鮎のしゃくりに挑戦です。見て覚えることが重要なので、まずは、鮎をしゃくる武内さんを追いかけながら、水中の様子をのぞき込みます。武内さんの川歩きの早いこと!追いつけない人たちで、水中をのぞき、鮎を見つける練習や、自主訓練に臨む人もいました。水中には様々な魚や生き物がいて、それだけでも楽しいです。

慣れてきた人は、自分で竿を持ち、どんどんしゃくりにチャレンジしてもらいました。泳ぐ鮎をかけるのは非常に難しいので、岩陰に隠れる鮎を狙います。その後ろで、武内さんが助言してくれます。

粘って、粘って・・・獲りました!!!!最初の一尾!!!天然鮎をしゃくるのは初心者には無理だと言われていまして、まさか獲れるとは!!!さすがです。

最速鮎ゲッター!!!1尾目

その後にも、負けじと熱中する人が出てきまして、また、獲った!!!2人目です。すごいです。その後、この方は、もう1尾獲りました。川に入った直後に、「鮎を獲らないと帰れない」と言っていたので有言実行です。

最多鮎ゲッター!!!2尾目
3尾目

他の方も、鮎を見つけて狙うことはできますが、獲ることは難しいようでした。しかし、鮎がいるポイントや、どんな風にしたら獲れるのか、感覚が何となくわかったようです。

しゃくりをしながら鮎を追い立てる下流では、せぐみをする人もいました。鮎が通りそうな場所に構えますが、なかなか獲れない。武内さんは、ひょいッと3尾を一気に獲ったようです。塾生「武内さん、すごいな~さすがだ。」と感嘆。

※水中の様子を観察する時だけ水中眼鏡を使用しています

鮎、実食

寒くなってきたところで、獲った鮎を河原で塩焼きにして食べました。武内さんが獲れなかった時のために10尾ほど獲っておいてくれたので、1人1尾以上食べることができました。

「鮎は川を食べる」と言います。鮎のおいしさが川の豊かさやきれいさを表現します。藤の川の鮎はいかに・・・。それは、もう、ワタが美味しい!!!苦味と旨味が絶妙で、トロっとしていました。藤の川は良い川です。美味しい川です。

また、武内さんはツガニの塩ゆで、自家製のゆで卵もふるまってくれました。ツガニは次の回で行う漁ですが、ここで初登場!!!8月1日からツガニ漁解禁なので初物です。これまた藤の川のツガニは美味しい。

こんな美味しい鮎やツガニは初めてだという塾生の声もいただきました。

美味しい藤の川、ごちそうさまでした。

獲れたて鮎!!!

無事に終了!

天候がギリギリもってくれたおかげで、しっかりとしゃくり漁することができました。

これを機にもっとやりたいと思ってくれた塾生も多く、今後は、自分でどんどん出かけていただければと思います!藤の川以外にもしゃくりに良い川があるので、自宅の近くで見つけてもらえると嬉しいです。

武内さん、2度目の講師、ありがとうございました。たくさん弟子ができましたね。これからもどうぞよろしくお願いします!!!!

いつも取り忘れて、やっと撮れた集合写真