●オウギカズラ(四万十川百名花の9)
深山に生え、茎は匍匐して地上を這い(カズラ)、茎の節からところどころ根を下ろして株を形成し、グランド・カバー状になります。学(属)名のアジュガと同名の園芸品種(西洋ジュウニヒトエ)があって、花や生え方もよく似ます。同じようなところにラショウモンカズラも生えますが、四万十川流域では本種の方が希少です。(2013年5月3日撮影、高知県梼原町)
●ニリンソウ(四万十川百名花の4)
名は一茎に二輪の花をつけることによります。ただし、二輪の花は時期がややずれて咲きます。長野県上高地の代表花で、早春、林床を白い花が一面に覆います。冷涼な渓流沿いの林に多いですが、梼原町では、山地草原、水田の周囲、人家の庭先など、いたるところに生えています。白く清楚なイメージ、二輪の姿から、恋人や新婚のカップルに贈る花(2013年5月3日撮影、梼原町)
●イチリンソウ(四万十川百名花の3)
名は一茎に一輪の花をつけることによります。同じ仲間のニリンソウより、花、葉共に大きく、群生することはほとんどありません。学(属)名は、アネモネ。花が終わって、初夏には地上部は全て姿を消します。(2013年5月3日撮影、梼原町)
●ラショウモンカズラ(四万十川百名花の13)
秩父層(四万十川流域では、梼原町、津野町)に沿って分布します。自生地では雑草のごとく生えていますが、それ以外の場所には全くありません。花は長さ4~5cmもあって大きく、色鮮やかな花なので、遠くからでもよく目立ちます。(2013年5月3日撮影、梼原町)
●ヤマルリソウ(四万十川百名花の27)
名は山地に生え、瑠璃色の花を咲かせることによります。葉はロゼット状(放射状)になり、茎は横に広がって多数斜上し、先端部にまとまって花をつけます。ムラサキ科の植物には青い花をつけるものが多く、本種のほか、オニルリソウ、ホタルカズラなどがあります。湿った土壌を好み、冷涼な半日陰地に多く見られます。(2013年5月3日撮影、梼原町)
深い切れ込みのある葉が特徴で、このタイプで四万十川流域に分布するのは、本種とヒゴスミレの2種だけです。ヒゴスミレの方は花が白く、切れ込んだ葉の幅が細いことから区別できます。名は京都の比叡山(学名:Viola eizanensis)に多いことに由来し、標高1000m級の山地で見られます。(2013年5月3、4日撮影、梼原町)