●コガネネコノメ
名のネコノメは花後、果実が熟して2つに開き、その中に種子があって、これがネコの瞳のように見えることに由来します。花は小さいですが非常によく群生するので、一面を黄金色に染めます。写真のようにクローズアップしてみると、まるで菜の花畑のようです。(2013年5月3日撮影、梼原町)
●シロバナエンレイソウ
冷涼な林内に生え、大きな3枚の葉が輪生して、その上に大きく白い花を咲かせます。群生とまではいかないまでも、割と狭い範囲にかたまって生えていることが多く、一つの花として見てもランのような美しさがあり、複数の個体として眺めると、花の形や生育環境は異なりますが、ミズバショウの群落を思わせます。(2013年5月4日撮影、梼原町)
●アカネスミレ(四万十川百名花の13)
四万十川流域では、やや標高の高い山地草原や岩石地で多く見られます。名前のとおり茜色の可憐なスミレで、たとえば学生時代に見た校庭の上の夕焼け空、あるいは淡い初恋のイメージを色にしたような花です。(2013年5月4日撮影、梼原町)
●ミツバテンナンショウ
名は、3小葉からなるテンナンショウの意で、草丈も30cm程度にしかならず、この仲間では小型の部類に入ります。四万十川流域では標高1000m以上のブナ林域に見られ、林の中で点々と花が顔を出している様は、なかなか愛嬌があります。(2013年5月4日撮影、梼原町)
●ヒナスミレ
スミレマニアの間では、「スミレのプリンセス」と呼ばれている植物。葉はシハイスミレに似ますが、葉の裏は紫色を帯びません。また、側弁が有毛という特徴があります。シハイスミレは温暖なところに多く、本種は標高の高い冷涼な場所に出現(一部、重複)する傾向があり、生育環境もかなり異なります。(2013年5月4日撮影、梼原町)
●オトメスミレ
タチツボスミレの距(花の後ろの突き出た部分)以外が、純白のスミレ。タチツボスミレそのものが流域全体で最もよく見られますので、本種も一度ある所を覚えておけば、毎年観賞することができます。どこにでもある植物ではありませんが、里山から標高1000mを超える山地まで分布します。(2013年5月4日撮影、梼原町)