四万十川流域の百名花 NO.27
~キンラン・オキナグサ・オンツツジ・サクラツツジ・フタリシズカ~
●キンラン
名は、鮮やかな黄金色の花から付けられたもの。花は下から上へと順に咲いていきます。花は半分くらいまでしか展開せず、この控えめに咲いている様が逆に気品を感じさせます。土壌の菌類と共生しているため、移植栽培は不可能です。(2013年5月6日撮影、四万十市)
●オキナグサ
山地草原や岩石地に生え、四万十川流域では、山地草原(津野町鶴松森~北山)の自生地が開発行為(風力発電建設)のため絶滅、現在は、河川の岩石地だけに見られます。国内でも園芸採集により激減しており、まさに幻の植物。県内でも自生地は、この1カ所だけと思われます。名は花後、羽毛状に長く伸びた雄しべを翁の白髪に見立てたもの。(2013年5月6日撮影、高知県西部)
●オンツツジ(四万十川百名花の20)
四万十川流域の里山では早春、ピンク色の花が咲くフジツツジがあり、方言で、「メンツツジ」と呼んでいます。これに対して、派手な色の花、葉と共に大きい本種をメン(女)に対して、オン(男)に例えたもの。幅の大きな3小葉からなり、花だけでなく、新緑や黄葉もなかなか見映えがします。(2013年5月6日撮影、四万十市)
●サクラツツジ(四万十川百名花の22)
四国では、四万十市勝間川だけに分布(北東限)します。ツツジの仲間ですが、花の色、遠目に見る姿は、サクラとほとんど変わりません。四万十川流域に自生するツツジの中では圧倒的な美しさがあり、ちょうどゴールデン・ウィークの頃、満開になることから、最近では、本種の観賞に訪れる観光客も増えてきました。(2013年5月6日撮影、高知県四万十市)
●フタリシズカ(四万十川百名花の19)
名は花を源義経の側室、静御前とその家来の亡霊に見立てたもの。花は二つから六つくらい付けるものまであります。ヒトリシズカのように花がブラシのようにならないことから、少し地味な感じがします。また、葉につやは無く、偽輪生がはっきりします。(2013年5月6日撮影、四万十市)