※この清掃活動は皆様からお預かりした「四万十川基金」へのご寄付を活用して行っています。

なぜ、「海岸清掃」を行うのか

海岸のゴミの70%以上は、川から海岸に流れたゴミだと言われています。

四万十川流域から出たごみは四万十川に流れ込み、四万十川のゴミは流されて海にたどり着きます。最近、レジ袋の有料化等で海のゴミ問題が注目されているが、四万十川も例外ではなく海に負担を与えています。一方で、四万十川から流れ出る豊富な栄養分は、海にとっても重要なもの。四万十川から流れてくるものは、良くも悪くも海に大きな影響を与えています。

そこで、四万十川流域の人々にも自分たちの暮らしについて改めて考えてもらえるきっかけとなり、四万十川と海の両方がきれいになっていくような活動をしたいと考えました。それが、今回の「四万十川海岸清掃」です。四万十川河口周辺の海岸を、四万十川流域の人々で清掃しようという活動。今年は、新型コロナウイルスの影響で大きな企画にはできませんが、来年の開催に向けて準備を行っています。

プレ・四万十川海岸清掃 実施!!!

10月5日。場所は四万十市の平野海岸。四万十川総合保全機構(四万十市、四万十町、中土佐町、津野町、梼原町の四万十川担当課)と幡多土木事務所の協力を得て、「プレ・四万十川海岸清掃」を実施しました。午前10時より計14名による清掃活動のスタート。10月とは思えないとても暑い日でした。

海岸には大量のゴミが ひたすらにゴミ拾い

1時間30分をかけて、海岸に落ちているゴミを拾いました。範囲は約600mの海岸線で、全体にたくさんのゴミが落ちています。日頃から地元の人やサーファーがボランティアでゴミ拾いをしていますが、拾いきれないほどゴミがあります。各自もくもくとゴミを拾っていきますが、四万十市から提供していただいたボランティア袋はすぐにいっぱいに。入りきらない大きさの発泡スチロールや洗濯機の中身、浮きなどもありました。多いのは、中身の入ったペットボトル・・・これには困りました。

開始直後から、わたしたちに気付いたたくさんのサーファーのみなさんが手伝ってくれました。平野海岸周辺は、サーフィンの聖地のようなところで、県内外からたくさんのサーファーが訪れます。この日は大潮で良い波のようで、多くのサーファーが来ていました。「我々にもやらせてください。」と、自然とゴミを拾い始めてくれました。本当に嬉しいことで、もっと私たちも頑張らなければと思います。

サーファーの皆さん(写真には写っていませんが、多くの方が協力してくれました。)

それにしても、暑い日で、そしてものすごいゴミの量。体力の消耗が激しい・・・。関係者の皆様におかれましては、本当にありがとうございました。来年は、時間帯や季節を再考する必要ありですね。

どんなゴミがあったのか?

ゴミを一カ所に集めた後、どんなゴミがあったか調査を行いました。一番多かったのはペットボトルで、圧倒的多さ。プラスチック類の破片(とても拾いづらい)。漁具。かなり大きなゴミもありました。大きな双眼鏡や便器といった変わり種も。

ペットボトルは中身が入っているものも多く、危険性もあるのでそのままゴミ袋に入れましたが、すぐに重たくなってしまうという厄介なゴミでした。ポイ捨てゴミのような故意に捨てたゴミというよりは、「なってしまった」ゴミも多い印象を受けました。

拾い集めたゴミ

ゴミも宝に?!ビーチコーミング

昼休憩をはさんで、午後からは「ビーチコーミング」。ただのゴミも別の目で見ると魅力的な物に見えることがあります。ビーチを歩きながら、自分が魅力的だと思う漂着物を拾い集めるこをビーチコーミングといい、日本語では「海揚がり」という言葉になるようですが、直訳すると「浜辺の髪とかし」でしょうか。

ゴミ拾い中も気になったものを集めてもらっていましたが、同時には難しいことが分かり、改めて海岸へ降りて散策してもらいました。先ほどのゴミ拾いとは違った感覚でゴミを見ることができ、面白い体験でした。

今回はそれぞれが集めたものを使って「標本箱」を作りました。100円ショップにある木製の小物入れを使い、集めたものを思い思いに標本として飾ってもらいました。規格が小さかったため最初から小さいものを集めた人や、枠からはみ出して独特な配置にしてみる人がいたりと、それぞれの個性が光る作品ができました。一人ずつ標本箱を紹介してもらうのもなかなか面白く、子どもでやるとどうなるか今から楽しみです。

来年へ向けて

最後に、ゴミが海に与えている影響と今回のゴミの特徴を整理しながら、これから自分たちがどうすればいいかを紙芝居風に話してみました。これも来年へ向けての練習。

今回、パイロット企画を実際に行うことで見えてきたものがたくさんありました。一番は、暑さ。参加者の体力を考える必要性。危険性などなど。反省を活かし、より良い企画になるよう企画を再考していこうと思います。

来年用チラシ写真撮影中

謝辞

今回の海岸清掃で出たゴミは、軽トラック3~4杯ほどの量になりました。幡多土木事務所様にゴミの回収と処理を行っていただきました。ありがとうございました。

平野海岸で出会ったサーファーの皆様、お願いしたわけでもないのにつぎつぎと応援にかけつけていただきありがとうございました。

四万十川総合保全機構の担当者の皆様、打合せからご協力いただきありがとうございました。来年に向けて、これからもよろしくお願いいたします。

四万十川財団スタッフ一同