山崎 清実 (やまさき きよみ)
山崎 絵美 (やまさき えみ)
四万十川河口の川漁師夫婦
清実さんの基本情報
- 1971年生まれ
- 住んでいるところ：四万十市竹島
絵美さんの基本情報
- 1972年生まれ
- 住んでいるところ：四万十市竹島
一家全員が船舶免許？！
山﨑清実さんと絵美さんは、四万十川の河口で川漁を営む夫婦。清実さんのご両親も川漁師。絵美さんは、嫁ぐときに義母から漁師の嫁なら舟を動かせるようになれと免許を取らせてもらった。一家全員が船舶免許を持っている。
清実さんが川漁をはじめたのは高校を卒業してからだ。地元に就職していたが、親の後を継ごうと考えていた。川が好きで、他の漁師も後押しをしてくれたこともあり川漁をはじめる。 アオサノリ、シラス、鮎、エビなど全部やっていた。
下田は、四万十川の河口なので、海が近く川漁がない時は、海の漁もできる。海の漁師に誘われて、川漁の暇な時期は海に行っていた。海と川の漁を組み合わせた仕事ができるのが面白い。
アオサノリは好きじゃないとできない。
アオサノリは好きじゃないとできない。年によっては生育の悪いときもあり、自然相手は難しいと感じる。一度、台風にやられて網からノリが全部なくなり収穫量0の時もあった。
アオサノリは、汽水域で養殖される特別区画漁業権を得た漁業だ。9月ごろから杭打ちの許可が下り、10月ごろに漁協で培養していたアオサノリの種がついたネットを川に出す。収穫は2月ごろだが、その期間の川の状況が非常に重要なのだ。
山﨑家が大事にしているのは、アオサノリの洗浄だ。工夫を凝らしてきれいにアオサノリを洗っていく。洗いに使う水は、わざわざ滅菌した海水で塩分濃度も一定にしたものを使う。お手製の機械を使って洗った水が透明になるまで、丁寧に洗っていく。他のアオサノリの出荷者で、適当に洗っている人もいるが、できる限り努力して、単価を上げて良いものを売らないといけないと考えているからだ。
先を見据えた、妥協のない販売努力。山崎家のアオサノリは多くの人に愛されている。
ツガニ漁もおもしろい！
アオサノリ漁以外にも、忙しい合間を縫ってシラス漁やツガニ漁にも勤しむ。清実さんは、ツガニ漁が好きで、獲ったツガニは自分で開拓した販路(オンライン、飲食店など様々)に直接売るというスタイルを続けてきた。食べた人から直接感想をもらえたり、良い時はどんどんツガニが売れていく・・・ツガニは面白い。
ツガニを獲って、自分で売っていると、ツガニの漁期に疑問を感じているようになった。現在の漁期は8月から10月末まで。9月〜11月末までにしてもらえたら、美味しい時期に美味しい物が供給出来るし需要も増えるのではないか。この漁期は、四万十川だけなので、他の地域がツガニをその時期に売っていると、損をした気持ちになる。資源保護も大切なのはわかるが、水産業が成り立たない状態になる事の方が大変だと危惧している。
四万十川におもうこと
お二人に四万十川の状況について思うことを聞いてみた。
「下流の人たちの中では、砂州の消失が大きな問題になっている。砂州がなくなって、直接海水が入ってくるから、干潮が極端に早い。アオサノリにも非常に大きな影響を与えている。その原因は、航行分離と災害対策のために新しくできた防波堤。昔は家の前まで台風の時は水が来ていて、それはなくなったが、高潮がひどくなった。砂州があったときは、そこで地域のおんちゃん達がどんちゃんやってたけど、そういう場所もなくなった。」
「他にも、海も川も遊ぶ子供が減った。連れ出す親もいない。だからだけど、財団で川につれていくイベントをやってほしい。そんなイベントの手伝いをしたいと思う。」
(おまけ）ポケモンGOの大ファンです！
ちなみに、二人はポケモンGOの大ファン！大好きすぎて、ポケモンを集めるために全国各地へ遠征もしている。あとは海外のポケモンを集めるのみ・・・。四万十川でもポケモンGOのイベントをしてほしいと願っている。