津野町の「津野山大学」が主催する『四万十川源流域のめぐみ~川を食べる~』に参加してきた。講師は四万十リバーマスターの豊田庄二さんだ。当財団でも食文化をテーマにした講座を開催したいと考えているので、勉強させてもらおうと思ってのことである。
津野町西庁舎のトレー二ング室に15名ほどが集まった。まずは、豊田さんからスライドで源流域の魚の話を伺った。四万十川の話から始まり、豊田さんが調べた北川川に生息する魚の話、アメゴの話など。アメゴが大好きな豊田さんは、アメゴの話になると時間を忘れてしまうと言っていた。アメゴ養殖についても詳しく、ご自身で養殖した経験もあるという。質疑応答も楽しく行われ、モツゴという魚(標準和名:タカハヤ)が話題になった。ここらへんでいうモツゴはタカハヤのことで、標準和名モツゴの方は準絶滅危惧種だというと、参加者の皆さんは少し混乱したようだった。
続いては、お楽しみの川魚の食べ比べ!
調理室に移動すると、イダやアメゴ、アカザ、ドンコがまっていた。ここから、イダの甘露煮とアメゴの南蛮漬けを作って食べるのだ。
イダの調理方法だが、まず、ぬめりとウロコをとるために、塩を少しふったあと網でこする。頭と内臓を落として、火が通るまで焼く。炭火で焼くと表面がパリッとして、身もしまり、甘露煮にすると味がしみ込みやすく美味しくなるという。生姜を入れた出汁に焼いたイダを入れて、酒、しょうゆ、砂糖を入れてにこむと出来上がり。本当はゆっくりと煮込むと良いのだが、今回は時間がなかったのでやむなし。
イダの臭みはほとんどなく、身も柔らかく美味しかった。梅や茶の出がらしを一緒に入れると骨が柔らかくなりより食べやすいそうだ。今回のイダは夏のイダだが、真冬にとれる寒イダが一番美味しく、次に春先の産卵期のイダを好んで食べるという。
アメゴの南蛮漬けは、アメゴの頭や内臓をとり、ぶつ切りにして、片栗粉をまぶし油で揚げる。揚げたてを南蛮用に作った漬けだれにつけて、玉ねぎとニンジンを散らして完成。
イダやアメゴに限らず、川の魚の臭みが苦手な方が多いように思うが、丁寧に下処理をすれば、骨が柔らかい川魚は丸ごと美味しく食べられることがわかった。川魚を食べることが少なくなってきた現在、貴重な体験だと思う。家の前の川で魚をとり、つくって、食べる。こんな楽しく面白いことを多くの人に伝えていきたいと思った。新企画づくり、頑張ります!