四海波かご:波が4方向から打ち寄せるようなデザイン

土佐山田の高知県森林研修センター情報交流館で行われた竹細工講座に財団スタッフ2名(中野、中平)が参加してきました。上の写真は、初挑戦したスタッフ中平の成果物です。

このかごは「四海波かご」といいます。「四海波」には『四方向からくる荒い波風が治まり穏やかで平和である』という縁起の良い意味が込められているそうです!祝い事の贈り物に良さそうですね!

竹細工職人の中川さん

今回、この素敵な竹かごを作り方を伝授してくださったのは、竹細工職人の中川康之亮さんです。落ち着いた雰囲気で優しく教えてくださる先生でした。竹細工体験のできるゲストハウス「たけ丸」の主人でもありますので、興味のある方は行かれてみてはいかがでしょうか?

さて、作り方をダイジェストで簡単に紹介してみます。難易度も高くなく初心者でもチャレンジしやすいと思います。

1. 型紙に合わせて、竹の皮の部分(緑)と身の部分(黄)が交互に並んだ竹ひごを縦横8本づつ、縫い込むように交差させます。これはかごの底の部分になります。ずれないように四隅を固定しています。

2. 竹ひごを4本づつ束ねて、輪ゴムで止めていきます。全部で8セットの束が出来上がります。

3. 4本づつ束ねられた竹ひご同士を「固結び」しています。だんだんかごらしくなってきました。

4. ここからが少し複雑で、写真では説明がしづらい。竹ひごを指定された隙間に順番に編み込んでいきます。一度覚えてしまえば、残りの7セットは、その繰り返しになります。

5. 飛び出た竹ひごは、見栄えの良いところでハサミで切り揃え、完成です。

感想

いかがだったでしょうか?意外と出来そうな気がしてきませんか?局長からは「竹細工、おもしろいよ~」と聞いていたのですが、実はそれほど期待はしていませんでした(笑)←(え?そうだったの? 神田)

実際に参加してみてですが…、職人によって丁寧に加工された竹ひごに触れた感覚やそれを手作業で編み込み形になっていく過程に魅了されてしまいました。思い出してみれば、祖父母の家には竹で編んだ製品がたくさんありました。それほど竹は、日本人の生活に関わりの深かったという事でしょう。現代では影を潜め、邪魔者扱いされるようになってしまった竹ですが、その美しさ・しなやかさ、そして機能性は素晴らしいものだと感じます。

財団では、四万十川流域にほぼ無限にある竹を活かし、今回のような竹細工のワークショップを開催したり、大量にでてくる孟宗竹を竹炭にできないか等々、有意義な企画を思案しております。サスティナビリティな竹を有効活用していきたいものです。