四万十川流域文化的景観連絡協議会(通称:文景協)では、文化的景観を地域内外の多くの人に知ってもらおうと普及啓発事業に取り組んでいます。今回はその取り組みの第3弾として、四万十市郷土博物館にて小学生を対象にした体験型ワークショップイベント「かわまちRPG」を開催しました。
四万十市入田のヤナギ林をフィールドに、3つのステージごとにさまざまな体験をクリアしてもらいながら進んでいくというもので、RPG(ロールプレイングゲーム)仕立てになっています。チラシも懐かしい8ビットのRPGを思わせるデザインです。本当は現地で行う予定だったのですが、この日はあいにくの雨、、、。イベントの大枠は変えずに博物館での実施となりました。(今度は外で出来るようまたリベンジしたいです。)
今回参加してくれたのは、四万十市在住の8組18名の親子。子どもさんは小学生で、近くの具同小学校に通っている子が多いようでした。
イベントを進行するのは、四万十市教育委員会の鈴木さん。サポートの九州コミュニティ研究所の池田さんと一緒に子どもたちを上手に盛り上げていきます。
説明が終わって参加者には「冒険の書」が手渡され、いよいよゲームが始まりました。第1ステージのミッションは、入田のヤナギ林の中に隠されたクイズを解きながら、宝箱を探してもらいます。今回は博物館のなか(1F~4F)に隠されたクイズと宝箱を見つけながら、クイズを解いていってもらいました。宝箱には次のステージに進むために必要なアイテムが入っています。なかなか見つからないところに隠したのですが、子どもたちは上手に見つけられるでしょうか?
開始とともに一斉に子どもたちが探しに行きます。クイズは四万十川に関するものや、川の漁に関するもの、ヤナギ林に関するものなど計10問を用意。お父さんお母さんに手伝ってもらいながら、一生懸命考えてくれているようでした。ちょっとした探検要素もあり、子どもたちも楽しく取り組めたようです。宝箱もあっという間に見つかり、答え合わせの説明も熱心に聞いてくれました。また、親御さんたちが「見たことある」「そういう意味があったんだ」と、子どもたち以上に食いついてくれた様子が印象的でした。
第2ステージのミッションは河原でうなぎのイシグロ漁やエビ玉漁、ゴリすくいを体験するというもの。今回は博物館入り口の屋根下に場所を変えて行いました。第1ステージで見つけた宝箱に体験する漁の生き物が書かれており、うなぎとエビに分かれて体験してもらいました。
イシグロ作りは、うなぎが入れるスペースを作りながら石を積むのが難しそうでしたが、スタッフが手伝いながらなんとか完成。うなぎを入れてみると、すぐに石の間に入っていってくれたので、大成功でした。
エビ玉漁も、テナガエビの生態を教えつつ、どうやったら捕まえられるかを考えながらチャレンジしてもらいました。子どもたちもすぐにエビが獲れるようになり、なかには一気に3匹捕まえる猛者も。テナガエビにも触れてもらいながら、楽しく体験できたようです。
またオプションでボウズハゼ、シマヨシノボリ、ヌマチチブをポイでつかまえる「ゴリすくい」も体験してもらい、それぞれの顔の違いにも気づいてもらいました。
体験を通じて生き物と楽しく触れ合うことができたのではないかと感じます。
第3ステージに進む前に、入田から見える赤鉄橋(正式名称:四万十川橋)についてクイズがありました。普段よく使うなじみ深い橋でもあるので、子どもたちも興味津々。地震で壊れたことがあること、昔は歩道がなかったこと、橋が赤色じゃなかった時期があることなど、クイズ形式で楽しく学びました。
さて、いよいよ最終となる第3ステージに到達。ここでは入江をテーマに、入江の役割や特徴を教わりました。なかなか地元の人でも入江に行くことは少ないのではないかと思いますが、実は入江は四万十川にとって大切な場所なんです。入江は増水時の生き物の避難場所になるほか、石や植物が多く生き物が隠れ家として利用しやすいこと、伏流水が湧き水質がきれいなことなど、生き物が住みやすい環境が整っています。そんな入江の大切さを理解してもらったところで、すべてのステージが終了。最後にまとめとして、イベントで紹介してきた風景や文化は、四万十川との関わりを示す大事な文化的景観であり、守っていかなければいけないものなんだということをお話ししました。
全ステージをクリアした参加者には「勇者の証」として缶バッジがプレゼントされ、子どもたちも嬉しそうでした。今後も勇者として、今回学んだことを友達や兄弟に教えてあげてほしいですね。盛りだくさんの内容でしたが、ゲーム性もあり、子どもたちも楽しく学ぶことができたと思います。企画・準備を担当した四万十市さん、本当にお疲れさまでした。