「ほしい石があったら言ってください!」
「面(ツラ)がきれいなヤツない?」
「コレとか?」
「もっと探してみて」
「いらんヤツは背後に入れて」
「めっちゃいいヤツがありました!」
高校生たちの会話に耳を傾けるとこんなやり取りが聞こえてきました。そう、これは「石積み甲子園」に参加している高校生達の会話です。
今年で2年目になる「石積み甲子園」を見学しに、愛媛県松山市の興居島へ行ってきました!去年は徳島、今年は愛媛で開催。というわけで、突然の発表になりますが、来年は高知での開催を予定!財団もそのお手伝いが出来るように視察に来た訳です!
まず石積み甲子園がどんなものかと申しますと、9:00~15:00までの6時間で、各校が幅1m×高さ1.2mの石積みを5人体制で築き上げ、安全面をベースにその速さや精度、チームワーク、美しさ等を競います。今年は紅まどんな(ミカン)畑が舞台となりました。
このイベントを主催しているのは、石積みの技術を継承する活動を進めている「石積み学校」という団体。全国各地で石積みを修繕するワークショップを行っています。そのなかで、「もっと若者に技術を伝えていきたい!」という思いから始まったのが、この石積み甲子園です。
今年は愛媛から県立伊予農業高校、愛媛大学附属高校、徳島から県立城西高校神山校、大阪から箕面自由学園高校と府立園芸高校の全部で5校が参加していましたが、残念ながら高知からの参加はありませんでした。来年に向けて高知の参加校も呼びかけていかなければなりません!どこか立候補したい高校があれば教えてください!
石積み甲子園では、それぞれの高校に石を積んでもらい、石積みの正確さ、作業の効率性、石積みの美しさ、チームワークの4つの観点から評価し、優勝校を決定します。数学部の高校は数学の知識を使って、造園を専門にしている高校はその知識を活かした積み方をするなど、それぞれの特色を生かした積み方をしていたのが印象的でした。前回の大会では、最後まで石積みを完成できませんでしたが、今年は全ての高校が時間内に積み上げることができていたので、昨年と比べて生徒たちの技術も確実に上がっているんだなと感じました。
気になる今年の優勝校ですが、愛媛県立伊予農業高校が選ばれました。おめでとうございます!伊予農業高校は前回に続いて2回目の優勝。2連覇です!勝因は「根石の正確性」が他の高校より優れていたとのこと。とはいえ、どの高校もとても素晴らしい石積みを完成させていました。高校生が声を掛け合い、試行錯誤しながら石積みを積み上げていく姿はとても刺激的だなと感じたので、ぜひ高知の高校生にも体験してみてほしいと思います。
石積み甲子園でもう一つ大事にしているのが、地元の特産品をPRすること。イベント会場には今年も物販スペースが用意され、地元のお母さんたち手作りの料理や、みかんが販売されていました。興居島はひじきが名産とのことで、島で採れたひじきを使ったひじきごはんをお昼に食べましたが、ひじきの香りがよく、とても美味しかったです。こういったイベントには出店があると盛り上がると思うので、高知で開催する際にもたくさんの地元の方々にもご協力いただければありがたいなと思っています。あと、協賛企業も絶賛募集中です!