●シシウド
標高1000mくらいの山地から、四万十市の中村高校裏や、スポーツセンター周辺など、ごく身近な場所でも見られます。高所では8月頃から咲き始めますが、平地では10月頃、開花します。高さ1.5~2mほどになる大型の植物で、下から眺めると、大きな打ち上げ花火のように見えます。尚、バックの白い花も全てシシウドです。(2013年8月17日撮影、愛媛県西予市野村町)
●オオキツネノカミソリ(四万十川百名花の54)
渓流沿いの林縁、林下などに生え、キツネノカミソリより葉、花とも大きく、花弁よりおしべ、めしべが長くなります。また、花の色も薄めです。キツネノカミソリより標高の高い所に多い傾向があり、場所によっては大群落も見られます。林の中で無数の花が浮かび上がる様は、開花期(8月中~下旬)とも重なって、例えば戦没者の霊が花と化したかのようにも見えます。(2013年8月17日撮影、愛媛県西予市野村町)
●カワラナデシコ(四万十川百名花の52)
オミナエシ同様に、古来、「秋の七草」として親しまれてきた植物。「ヤマトナデシコ」とも呼ばれます。カワラではなく、山地草原に生え、四万十川の河原には外来種のムシトリナデシコが生えています。四万十川流域では、梼原町、津野町だけに分布します。(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)
●オミナエシ(四万十川百名花の67)
古来、「秋の七草」として親しまれてきた植物。以前は、四万十川沿いの土手や棚田の周囲などでも見られましたが、今では、標高の高い山地草原を除いて、ほとんど姿を消してしまっています。棚田の耕作放棄に加えて、ほ場整備が絶滅に追いやり、四万十川の景観を変えてしまいました。ススキ(尾花)と共にオミナエシの咲く景観は、いにしえを偲ばせます。(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)
●オトギリソウ
葉を光に透かして見ると黒点があり、兄が弟を切り殺した血しぶきの跡だとされる伝説に因んで、弟切草(オトギリソウ)の名があります。以前(20年くらい前)には、郊外、沿海地など、どこでも見られましたが、今ではかなり標高の高い所まで行かないと、見つけることが困難になっています。ここ数年来の異常気象(高温乾燥化)を象徴する一種と言えます。(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)
●ススキ
オミナエシ、カワラナデシコと共に、古来、「秋の七草」(尾花)として親しまれてきた植物。沿海地から高山まで広く分布します。標高1000mを超える山地では8月頃に咲きますが、里山では9~10月頃、満開になります。尚、水辺に近い河原では、これより花も草丈も大型のオギが四万十川の秋を彩ります。ススキとオギは、よく混同されていますが、ススキは株立ちになること、群落として景観的にも全く異なりますので、慣れれば遠くからでもそれと見分けられるようになります。(2013年8月18日撮影、高知県梼原町)