当財団では、四万十川を保全する活動を広く行っています。
川は山から。
私たちは、川の源である森林の保全にも着目して、次年度から新たな事業を始めようとしています。
そのために事業スタッフが森林の共通知識を身につけようと、高知森林インストラクター養成講座に参加して学んでいます。
今回は第2回目です。
森林には、文字通りたくさんの木がありますが、これらを見分けていきます。
葉で見分ける方法が一番わかりやすいようです。
葉の形、葉のつき方、葉の縁の形、常緑か落葉か、全体的なフォルム等で見分けていきます。
実際に剪定された木を使って同定の練習をしました。
例えば、アラカシという木です。
不分裂葉→葉のつき方が互い違い(互性)→葉の縁はのこぎり状→常緑
常緑か落葉かを見分けるのがぱっと見だと難しく、ツヤや硬さを確かめていきます。
ん~これはなんだろうと・・・グループになってうなりながら見分けました。
8種類ほどを見分けた後、高知城の下の公園へ実際に生えている木を見分けます。
高知城の周りは樹木が豊富。
しかし、外に出ると、ついさっき見分けた木でさえ、わからなくなりました・・・
私だけなのでしょうか・・・
気づきとして、高い木についている葉は高すぎて見えず、葉では特定できません。
樹皮や生え方をみていくようです。
今回は、葉をみるということで低木を中心にみていきました。
なかなか種類が多く、驚きました。また、ゆっくりと回りながら覚えていきたいです。
木が覚えられたら、その木がなぜそこにあるのか。どんな土地なのか。たくさんの応用ができます。自然を見ていく中でとても重要な知識なので、今後、活動の中で、見分けられるように頑張ろうと思います。
本日の木たち
アラカシ
高知ではカシ豆腐をこれで作る。どんぐりが渋い。高知の山に多い。
渋みを利用してどんぐり珈琲を作っても面白い。軽く炙ってお茶にもする。
不分裂→互性→鋸歯(大きい鋸歯)→常緑(色濃く硬い)
ウバメガシ
シャリンバイと間違えやすい。
備長炭としてよく使われる。盗まれることもある・・・。
カシ科の中で一番小さい。老木になると縦にさける。
不分裂→互性→鋸歯(ひっかかりがある)→常緑(パリパリと硬い)
*後ろの葉脈が薄い
*どんぐりがある。
コナラ
不分裂→互性→鋸歯→落葉 一番身近なドングリの木
*葉の先の辺りが膨らんでいる。
*柔らかい
*葉柄が数ミリある。短いのがミズナラ。
アカメガシワ
宗教的なお供えによく使われる。
分裂→互性→全縁→落葉
*葉柄が赤い。
*分裂と不分裂が分かりにくいが成木では不分裂が多い。
*葉の根元付近にアリを寄せ付けるための「蜜腺」がある。これはほかの虫をアリによって除去させるためだと言われている。
ネズミモチ
実がつくとネズミの糞みたい・・・
枝を触ると表面にポツポツしたものがある。
不分裂→対性→全縁→常緑
*葉脈が透けない。透けると「トウネズミモチ」という中国からの外来種。
センダン
高知市の木。
早く育つ早成樹。
羽状複葉→互性→鋸歯→落葉
羽状複葉は茎と葉が見分けにくいが、芽があるかどうかを見てみる。分かれ目に芽があれば茎。
全縁の羽状複葉にはかぶれに注意!!(うるしかも)
クヌギ クリ アベマキ
この3種類は似ているため見分けポイントに気を付けよう。
①鋸歯の色
鋸歯が端まで緑→クリ
鋸歯の端が透明→クヌギ、アベマキ
②葉の裏の色
白っぽい→アベマキ
白っぽくない→クヌギ
クスノキ
在来と思われがちだが、古く中国から来たものだと言われる。
トトロに出てくる大木。
ここからとれる樟脳が土佐藩の財源になった。
葉が3行脈。
ムクノキ
葉がザラザラ。かつては鑢の代わりに使われた。
樹皮がボロボロとはがれている。
コウヨウザン
最近、スギ科からヒノキ科になった。
成長が速い。萌芽更新するので植え替えがいらず、切っても株立ちする。
フウ(タイワンフウ)
よく街路樹に見られる。漢字では”楓”だが、カエデの仲間ではなくマンサク科。
ツバキ
葉につやがあり、樹皮も独特。
実がついている。
ヤブニッケイ
シナモンの仲間