四万十川水系源流部ではかつて焼畑が一般的に行なわれており、キビ(トウモロコシ)を主軸とした雑穀による食生活でした。中下流域でも白米が主食となったのは戦後ですが、豊富な川の幸が時期に応じた様々な調理法で食卓を賑わしました。
伝統料理
四万十川流域の伝統食も上流部の山間地と中下流域では大きく異なります。四万十川上流の村々は山が深く焼畑が農業の中心であったため、キビ(トウモロコシ)・ソバ・コキビ・クキイモ(里芋)などが重要な食物となっていました。主食は冬から夏の始めまでがキビ8~9割に米1~2割のキビメシで、夏から秋は麦飯、冬の夜はキビ雑炊やソバ雑炊を食べることが多かったと伝えられています。中下流域では川の幸であるアユ・イダ・ハヤ・ウナギ・エビ・カニなどが食膳を賑わしましたが、基本食は水田から穫れる僅かばかりの米と、裏作の小麦、畑のハダカ麦・サツマイモ・大豆・小豆・ソバでした。また川漁のない厳寒期のために魚の焼魚・塩干し・塩漬などの保存食もつくられました。
酒蔵
川の幸を使った伝統料理