アイゴ:アイゴ科
Siganus fuscescens
沖縄で愛されているけど、ちょっと危険なアイゴ。
基本情報
【全長】 25㎝ 四万十川で見られるのは幼魚なので、2~3㎝の全長が多い。
【体色】 茶褐色で多数の黄白色斑、驚いたときには白の横縞が現れる。
【食性】雑食性 藻を好むが、甲殻類なども食べる。釣りの餌にはエビ・みそ・酒粕・入りぬかなど。小さな口で上手に食べる。
【生息地】 山陰~下北半島以南の本州、四国、九州。四万十川では下流の下田の周辺。
【時期】 四万十川では夏期、河口域のコアマモ場で幼魚が多く見られる。
【味】 美味しい
【飼育】 丈夫で飼いやすい。しかし、気が荒いので混泳には注意。
≪注意≫ 背ビレ・腹ビレ・尻ビレに棘の毒あり。刺されると非常に痛い!
沖縄ではサンゴ礁でなじみの魚【スクガラス】
日本全国で一番アイゴを愛しているのは「沖縄」だろう。
沖縄では「スク荒り」という言葉がある。「スク」とは沖縄の方言でアイゴのこと。海が荒れることを「荒り」という。6月の大潮に乗ってスクが大群を作って遊泳するが、その時期は海が荒れやすくそう呼んでいるらしい。漁師はその大群を探し漁に出る。それを「スク巡い」とよぶ。
沖縄では愛されよく食べられているが、関東ではほとんど食用にされない。他は瀬戸内海、四国、九州では食べられ、特に秋の小型が高級。幼魚は黄金色に体が透き通り美しく価値が高い。しかし、数日後、黒褐色になり食べたエサで腹が膨らむと価値が低くなる。
味は美味しく、沖縄では塩漬け保存されて「スクガラス」と呼ばれお土産として人気がある。おつまみにはたまらん一品だろう。
≪参考資料≫
・川の生物図鑑 財団法人リバーフロント整備センター
・四万十川の魚図鑑 いかだ社
・魚の歳時記夏の魚 学研