アカメ
アカメ科
Lates japonicus
四万十川の観光大使 超貴重な巨大魚アカメ
基本情報
【全長】
1.5m
【生息地】
内湾~河口域 主に高知県、宮崎県。徳島、静岡県、和歌山県、鹿児島県などからも少数の記録がある。四万十川代表魚種の一つ。四万十川では毎年稚魚が確認される。宮崎では漁獲は禁止されている。アカメの漁獲が可能なのは高知県だけ!世界でも唯一の場所なのだ☆
四万十川では後川の合流点近くで見かけることが多いようだ。
【生態】
7~9月、20㎝までの幼魚の時は、アマモ場に生息し、成魚になると数~十尾の群れで水深10m前後の淵に集中。夜行性であり、日中は固定された隠れ家いる。神経質な一面あり。
雌雄の見分けが分かっていない。いろいろな説があるが、顔が丸いとメスでとがっているとオスだとか・・・70㎝を超えたら雌雄逆転するとか・・・
【体】
スズキに似ている。体高が高く眼の上が少しくぼむ。幼魚の時は独特な縞模様があるが、成長期に伴い銀白色になる。成魚の時も、たまに緊張時には縞模様がみられる。
名前の由来でもあるが、眼が赤いのが大きな特徴である。これは体内の血液が透けているためだと言われてきたが、最近の研究で眼に反射板を持ちこれが反射して赤く見えるという説もある。
体は大きくなり、1mを超える。1年で10㎝程成長する。しかし、繁殖は遅く12㎏の雌でようやく卵巣が発達する。
【食性】
肉食性 魚食でありコイ、フナ、ボラ等を食べる。
【味】
味抜群?!刺身、たたき、ちり鍋に向く。
超貴重種☆四万十川の観光大使!
環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類
アカメは日本特有の種である。しかし、高知県内では浦戸湾内河川や浦ノ内湾等でもよく釣れており、特に浦ノ内の筏では釣れたチヌを横取りしていく姿がごく普通に見られる。四万十川河口域でも釣れたキスやチヌを横取りするので、投げ釣りの釣り人からは嫌われている一面も否定できない。
もちろん、アカメが全国的に見て希少な魚であることに変わりはなく、高知県は2017年、アカメを「注目種」に指定している。
非常に珍しい魚種のため、アカメを目指して日本各地から四万十川へ多くの人が観光に訪れる。まさに、「四万十川の観光大使」。
四万十市中村にあるトンボ公園・四万十川学友館ではアカメが展示されているが、小さい時から保護し、小学生との放流も行っている。
アカメと人の物語
アカメは貴重種と言われながらも高知県内では釣ることができます。それには、アカメと人のつながりを守ろうとした人々の葛藤がありました。もっとアカメのことが知りたい方はアカメと人の物語をぜひご覧ください↓
こちらへ!!!(清流通信310章~アカメと人と~)
≪参考資料≫
・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター
・土佐の魚のすべて 高知新聞社
・四万十川の魚図鑑 いかだ社
・魚の歳時記秋の魚 学研
・宮崎県HP 指定希少野生動植物の概要(アカメ)
・トンボ公園・四万十川学遊館