22.イッセンヨウジ

イッセンヨウジ

ヨウジウオ科

Microphis (Coelonotus) leiaspis

細長い体で上手に泳ぐ、川のタツノオトシゴ

基本情報

【体長】19㎝

【生息地】神奈川県以南。汽水~淡水域の塩水濃度が低い場所を好む。四万十川では、河口から上流10㎞まで遡上し、ヨシの根際や転石の下などに潜んでいる。

【体】イッセンヨウジはヨウジウオ科である。ヨウジウオ科の体は、骨板で覆われている。背鰭に棘条部はなく、腹鰭もなし。ヨウジウオ科の中でイッセンヨウジは体表がザラザラしていない方で、最も流水環境に適しており、上手に泳げる。名前の由来にもなっているが、口の端からエラブタにかけて黒い線が伸びている。四万十川のイッセンヨウジは特に細身で口が短い。

【生態】水底を這うように移動する。時に、体をくねらせ敏捷に遡上する姿も見せる。産卵は河川で行う。産まれた稚魚は海へ下り、成長して川に戻り淡水で生活する。ヨウジウオ科は、なんとオスの体にメスが卵を産み付ける。オスが育児嚢にて保護するという変わった育児方法だ。

【食性】動物食性。しかし、口が小さいため小さなプランクトンや稚魚、甲殻類を食べる。

見習うべきイクメン!!パパは大変!?

ヨウジウオ科は、なんとオスの体にメスが卵を産み付ける。

オスが育児嚢にて保護するという変わった育児方法だ。

凄まじいイクメンぶり!!!

しかし、オスはメスの理想が高いようだ。選り好みが激しい・・・

体が大きいメスが好きなんだそうだ。タイプじゃないメスが産み付けてきた卵は悲しいことに死滅させ、より魅力的なメスが来るまで空けておく。

なんとも残酷なことだが、より強い遺伝子を残すために頑張っているのだろう。

薬にもなるのだとか。

ヨウジウオ科の中には、食用ではないが薬として使われるものもいるようだ。

乾燥させたものには男性ホルモン作用があるとされ、男性には性欲促進、女性には難産や血気痛に用いて古くから珍重していた。

しかし、国際的な取引が禁止されている。

≪参考資料≫

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・web魚図鑑

https://zukan.com/fish/internal5290

・雑魚の水辺
http://zakonomizube.web.fc2.com/fish/issenyoji.html

・national geographic
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2441/