34オオキンブナ

オオキンブナ

コイ科

Carassius buergeri buergeri

フナの見分けは難しい!!西日本よりのオオキンブナ。

基本情報

【全長】

30㎝

【生息地】

信越~中越地方以西の本州、四国、九州の西日本中心。清浄な河川の上流~中流域の淀みに多い。

【体】

日本産のフナ属キンブナ類4亜種の一つである。ほかにもナガブナ、キンタロウブナ、二ゴロブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナがいるが、区別が非常に難しい。

オオキンブナはギンブナに比べて体高が低く背鰭の長さが短い。体色の赤褐色が強い。

四万十川ではオオキンブナとギンブナの中間形体が多くみられる。

【生態】

カワムツ、ウグイに交じって群れているところがみられる。驚くと岸の窪みなどに逃げ込む。ギンブナほど神経質ではない。

夏季には浅瀬でも見られるが、厳冬期になると深みでじっとしている。

【食性】

雑食。底生生物、藻類、プランクトンを食べる。特に藻類を好む。

フナの女ばかりの世界・・・

フナの仲間には、メスばかりのものがいる!

真の女社会。

ギンブナの生殖活動には同種のオスがほとんど関わっていない。他の魚種のオスでも全然かまわないというのだ。つまり、メスのクローンでいっぱいの世界が広がっている。少し恐ろしい世界かもしれない。

詳しく説明したい。

オオキンブナの属するフナ属には両性生殖と単為生殖の2種類がある。

特にギンブナが、単為生殖で知られている。卵子に精子が侵入しても、核融合することなく疑似受精がきっかけで細胞分裂がスタートする。単為生殖であるが、精子の刺激は必要である。しかし、同種でない他の魚でも刺激として受ければ、発生が可能。というのも、ギンブナは3倍体であるため、染色体が多くオスと合体できないのだ。稀に、合体しているものもいるが非常に珍しい。常に遺伝子交雑が行われないためクローンばかりが生まれている。環境変異には弱いため、一気に絶滅する可能性もある。

≪参考資料≫

・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター

・四万十川の魚図鑑 いかだ社

・古世界の住人

https://ameblo.jp/oldworld/entry-10035073731.html

・雑魚の水辺

http://zakonomizube.web.fc2.com/fish/ookinbuna.html