オオキンブナ
コイ科
Carassius buergeri buergeri
フナの見分けは難しい!!西日本よりのオオキンブナ。
基本情報
【全長】
30㎝
【生息地】
信越~中越地方以西の本州、四国、九州の西日本中心。清浄な河川の上流~中流域の淀みに多い。
【体】
日本産のフナ属キンブナ類4亜種の一つである。ほかにもナガブナ、キンタロウブナ、二ゴロブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナがいるが、区別が非常に難しい。
オオキンブナはギンブナに比べて体高が低く背鰭の長さが短い。体色の赤褐色が強い。
四万十川ではオオキンブナとギンブナの中間形体が多くみられる。
【生態】
カワムツ、ウグイに交じって群れているところがみられる。驚くと岸の窪みなどに逃げ込む。ギンブナほど神経質ではない。
夏季には浅瀬でも見られるが、厳冬期になると深みでじっとしている。
【食性】
雑食。底生生物、藻類、プランクトンを食べる。特に藻類を好む。
フナの女ばかりの世界・・・
フナの仲間には、メスばかりのものがいる!
真の女社会。
ギンブナの生殖活動には同種のオスがほとんど関わっていない。他の魚種のオスでも全然かまわないというのだ。つまり、メスのクローンでいっぱいの世界が広がっている。少し恐ろしい世界かもしれない。
詳しく説明したい。
オオキンブナの属するフナ属には両性生殖と単為生殖の2種類がある。
特にギンブナが、単為生殖で知られている。卵子に精子が侵入しても、核融合することなく疑似受精がきっかけで細胞分裂がスタートする。単為生殖であるが、精子の刺激は必要である。しかし、同種でない他の魚でも刺激として受ければ、発生が可能。というのも、ギンブナは3倍体であるため、染色体が多くオスと合体できないのだ。稀に、合体しているものもいるが非常に珍しい。常に遺伝子交雑が行われないためクローンばかりが生まれている。環境変異には弱いため、一気に絶滅する可能性もある。
≪参考資料≫
・川の生物図典 財団法人リバーフロント整備センター
・四万十川の魚図鑑 いかだ社
・古世界の住人
https://ameblo.jp/oldworld/entry-10035073731.html
・雑魚の水辺