オヤビッチャ
スズメダイ科
Abudefduf vaigiensis
恋より育児の男たち
基本情報
【全長】
20cm
【生息地】
千葉県以南の日本各地。沿岸岩礁、サンゴ礁、漁港でも見られる。
【体】
背部の大半が黄色。側面は淡い青灰色。体側に黒い横帯が5本ある。
繁殖期のオスは青みが増す。
【生態】
夏は周辺の磯溜まりなどで幼魚がみられる。
海ではロクセンスズメダイ、シチセンスズメダイと混生していることが多い。
あまり物おじせず、驚くと一旦岩陰に隠れるが短時間で姿を見せる。
水温が高いと岩の窪みに何度も産卵を行う。集団で産卵・卵保育を行うが産卵床は単独でもち、キープしているところにオスがメスを誘う。
卵は赤~紫で鮮やか。オスが卵を見守り、メスは次の産卵に備えて中層で餌を食べる。
オスは、卵が他の魚に食べられそうになると攻撃的になり、その時の体色は婚姻色より濃くなることもあるようだ。
【味】
非常においしい。小魚だが身に厚みがあり小骨が少ない。
透明感のある白身で、塩焼きや煮つけにするとおいしく食べられる。
「オヤビッチャ」という変わった名前
魚には不思議な名前が多いが、オヤビッチャもその一つ。
ダイビング等で非常によく見かける魚で珍しくない。
集団で行動することが多く、泳ぐと「綾が走る」ようだ。沖縄ではその様子を「あやびっち」と呼ぶことから転訛したのではないかと言われている。定かではない・・・・
他にも大きくなっても「ちびっちゃい」からだとか、いろいろな説がある。
しかし、「オヤビッチャ」。
一度聴いたら忘れられないような独特な名前で、耳に残る。
≪参考資料≫
・四万十川の魚図鑑 いかだ社
・市場魚介類図鑑
https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%AA%E3%83%A4%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3
・fishes of minna island