四万十川財団旧HP上にあった「四万十まるごと博物館」内の掲示板に保存されていた四万十町大正 下津井地区の聞き書きです。聞き書きをした正確な日時も場所も、話者も分からない、いわば不完全なデータですが、それでもここから分かる事もあると考え、アップすることにしました。

詳細は分かりませんが、2001年の1月29日にデータが上げられているので、それからそう遠くない過去に聞き書き作業をしたものと思われます。また、文面等については、手を加えずそのまま転写を旨としました。分類についても当時のものに従っています。( [  ]で示される番号は掲示板の整理番号です。 )

聞き書き 四万十町大正 下津井地区

自然に関するもの
[396]昔は飲み水は谷から樋で水をとっていた。
[364]下津井温泉 冷泉 6月のホタル祭りの頃は一杯になる。
[363]6月にはホタルで賑わう。東京や名古屋からも来る。両岸にいっぱいのホタルはとてもきれい。
[362]去年、一昨年と工事をしていたので水が少なくなりホタルが少なかった。今年はもっと多いだろう。去年は高新観光のバスを断ったことがある。
[361]蛍祭りが楽しい。もう5年位やっている。観光客が来るので旅館がうるおった。
[360]ホタルで有名・ホタル祭り6月初旬(船から見る)
[359]高島口の水がおいしい
[358]松茸がよくとれる。やせ山にしか生えない。松があっても生えるとこと生えない所がある。

動植物に関するもの
[391]ゲンノショウコウ(白い花・ピンクの花)煎じて飲むと胃腸によい 
[389]寒わらび 煎じてのむと扁桃腺や甲状腺によい
[349]ムカデにさされた時ははめ焼酎をつける
[348]どくだみ お茶にしたら胃腸に良い。かりん酒 のどに良い。白桃塩漬け扁桃腺に良い。
[347]しょうが(みじんぎり)ゆず(皮)ニンニクをジュースにする風邪に良い。しょうが汁1合にゆずを少々、ニンニクで仕上げ
[346]フキの汁 血止め アロエ やけど アサガオの葉 虫さされ
[345]ムカデにさされたらムカデ草の葉を塩で揉んで傷口に塗る
[344]白いすももの焼酎漬け扁桃腺の薬
[343]マタタビの実のかずらを小さく刻んでマタタビ1㎏に砂糖を200gくらいを焼酎1升に入れて4ヶ月くらいおいて少しづつ飲む。神経痛に良い。
[342]ジフテリアにはニラの葉を塩でもんだ汁を飲んだら治った
[341]昔のきざみタバコは切り傷とかの血止めに使った。他にイササキの木の皮を刻んでつけた(血止め)
[340]寒わらびは陰干しして煎じると風邪薬になる。寒わらびの花をとって乾かして紙にくるんでおくと粉になる。それを口につける(リップクリーム)
[339]わらび粉(わらびの根を粉にしたもの)は食あたりの湿疹に効く(粉を飲む)
[338]マタタビ酒、どくだみ茶は疲れやその他にも効く
[337]きゅうりの新芽 日射病 塩でもみ、汁を搾り飲む
[336]センブリ お腹の痛い時乾燥したものをお湯につけて飲む 苦い 黄色い根が良い センブリは山のてっぺんに行かないとない
[335]ウドの葉 日射病の時みそ汁に浮かべて飲む
[334]蜂にさされたときはマムシの焼酎をつける。胃の悪いときは飲む。

特異な技術を持った人々に関すること(名人芸など)
[390]鮎とり名人 下元治男さん・谷口広美さん
[366]料理名人 下元節子さん・岡脇豊子さん(味付けが上手)
[365]久岡さん 仲人を13組した。

神社等に関するもの
[379]田野々の五松寺・熊野神社の分寺と分社が下津井にはある
[378]みわたし地蔵が下津井橋の手前にある
[377]1月20日には山の神様を山へ行ってまつり、お寺へ行って戸を開けて「おみど」と7回唱えて堂の口開けをする。
[376]氏神様(神祭)8月14日15日にはお宮に松をたて、たいまつを焚く
[374]大山しずめの神様(峠にある)
[373]村全体に疱瘡がはやり元気な人は西源寺さんへ避難した。病人はおいて
[372]西源寺のお坊さんがそのまま生きて入って仏様になった。この人をまつっている(仏像)
[371]仁井田神社・住吉神社花取り踊り 小学生と大人がペアで踊る。子供が少なくなったので田野々の子供が来る
[370]氏子入り 赤ちゃんの名前を入れる
[369]11月24日・25日仁井田神社、住吉神社祭り 太刀踊り大きなモチを投げる

地域の風習に関すること
[400]月夜の晩には夜干しをせられん。長患いをすると言われている。
[375] 葬式やらお祝いやらわからないくらい賑やかになる。

地域芸能に関するもの
[392]牛鬼 11月25日各戸をまわる。かつぐ人は酒をもらう。他の部落からも人が来る
[368]うすふみ唄(米をつく時に唄う)足で踏む 奉行するなら下津井番所、水は軒みず木はせど林、稲は稲穂かぼくりはおから、だんな情のよいところ
[333]昔の花取り踊りは良かった。今のはだいぶ抜けている。昔の踊りを知っている人がいない。
[332]田植え唄があった。田植えの時は絣の着物と赤い腰巻きをして髪も結った。(岡脇さん)

食文化等に関するもの
[404]こんにゃくには樫の木の灰が一番
[356]稲の収穫時は五目飯を作る
[355]田植えの時赤飯を作った。少し麦を入れて
[354]葬式の料理は赤い物を使ってはいけない。
[353]神祭のお寿司は自分で作る
[352]松茸の美味しい食べ方 炭火であぶり三杯酢で食べる。炊き込みご飯
[351]鹿はさしみにして食べる
[350]いのししは1時間から2時間よく煮込む。そしたら柔らかくなる。大根も一緒に煮味噌で味付けをする。

農業・林業に関すること
[405]3軒が完熟堆肥を作った。十川から牛糞を4トンもらう。2回位
[382]野菜は自給自足

その他
[403]海で泳いだ事がある人は6人のグループで一人だけ
[402]昔、子供がいなくなり三日三晩探していなかったが金比羅さんで見つかった。
[401]子供でも嫁さんをもらったら遠慮をする。
[399]ウナギで商売ができた。
[398]旦那を連れ出す為にゲートボールをはじめた。
[397]3年前脊椎が悪くなって歩くことができなかったが退院後はビッコはあって。日常生活で治った。
[395]子供の頃冬に筏を流していた。(木材の搬出)
[394]昔、久礼坂は難所だった。戦時中大阪へ行くには窪川で一泊した。汽車は影野までだった。
[393]お父さんが一升口であったが飲まなくなった。安心できる。
[388]お父さんが胃を全部のけている。退院して2年位になる。食べられる事がうれしい
[387]ダムができる前、鮎とりのおかげで宿がいっぱいであった。
[386]悲しかった事 長男が肝臓癌で19年前に死亡(中村市で勤務していた)
[385]だんながあるのが良い。一人になると寂しい
[384]私は大正2年生まれの89歳、9人の子供を育て嫁に恵まれた事が私の一番うれしかった事
[383]老人クラブのメンバーが少なくなりゲートボールもなかなか大変だとおもっている所に若い人が入ってくれて大変喜んではりきっている。
[381]平家の里が下津井である。下津井で最初の田んぼは石神という所にできた。
[380]長老返りの岩 お坊さんが下津井を出て行こうと思って振り返って見たら侍が馬の練習をしているのを見てもう一度頑張ってみようと思い決心した所に大きな岩があったので「長老返りの岩」と名付けた
[367]下津井公民館に飾っている額 林ナオミさん作(自筆家内仲良く揃って信仰、先祖をまつれ親おがめ、人をうらむなうらやむな、よく働いて施しをせよ、人をうやまいわが身慎め、口をひかえてはらたてず、親切正直成功のもと気・心・腹・口・命 気は長く心はまるく腹たてず口つつしめば命ながかれ
[357]うまいものコンクールで優勝したことがある(幡多地区の6市町村)
[331]酒が良い、何にでも効く、薬よりは酒を飲め
[330]私は体が弱いので病院が遠くて心ぼそい
[329]下津井は人情豊かである。人の和が良い
[328]腹が立つこと 主人と仲が良すぎて喧嘩になり腹が立つ(結婚して52年)久岡さん
[327]喧嘩相手がいるだけでも幸せ、嫁は親を大切に(久岡さん)
[326]うれしかった事 孫の結婚(安芸市と佐賀町に)
[325]うれしかった事 曾孫が二人できたこと・今年も生まれそう孫の結婚式の時に愛知に行った孫に会えた事
[324]うれしかった事 孫にお年玉をもらったこと
[323]うれしかった事 二人の孫が伊丹・高知から帰ってくれたこと
[322]腹の立つことがない
[321]困ること 血圧が上がった時に病院が困る
[320]腹が立つこと 大事にしよった徳利がなくなったこと・猫が戸をあけて家の中へ入って来るのが困るし腹が立つ
[319]悲しかった事 三年前にじいさんが亡くなった事
[318]腹が立った事 この間の大雪
[317]腹が立つとき じいさんと喧嘩したとき
[316]孫が遠くにいるのでなかなか会えないのが悲しい