四万十川財団旧HP上にあった「四万十まるごと博物館」内の掲示板に保存されていた四万十市藤の川地区の聞き書きです。聞き書きをした正確な日時も場所も、話者も分からない、いわば不完全なデータですが、それでもここから分かる事もあると考え、アップすることにしました。

詳細は分かりませんが、2001年の2月9日にデータが上げられているので、それからそう遠くない過去に聞き書き作業をしたものと思われます。また、文面等については、手を加えずそのまま転写を旨としました。分類についても当時のものに従っています。( [  ]で示される番号は掲示板の整理番号です。 )

聞き書き 四万十市藤の川

自然に関するもの  
[446] 藤の川で蛍と遊ぼうツアーなんておもしろいぞ
[432]郷土の森 天桧(てんぴ)という桧(3000万本)があるのを切ろうとしていたので残してもらっている。(天桧とは自然のもので何年もたっているものを言う)
[419]おたまじゃくしの卵をみて春と感じるがいない。つくしが秋にでている。はたけのキンカンが冬に黄色でも今はまだ青い。四季感あまりない。
[418]昔は山の中で自給自足でした。自然がいっぱいでコンクリートはなかった。
[417]四万十川は守られるべくして守ってきたものではない。
[416]子供の頃四万十川で水泳をするのに孟宗竹で筏の様に組んで沈下橋から飛び込んで遊んだ。
[415]四季の色があるのでいいなと思う。紅葉の色、雪の色、禿げ山は嫌い。
[414]ふる里を残したい。花の街道を作り1700本の桜を植えた。(動物でやられた)
[413]昔ながらの風景を残す
[412]川の汚染は感じない。紅葉美しい、四季感なくても四季のうつりかわりはある。春の緑が好きだ。

農業・林業に関すること
[503]ボカシを作って1週間以上30℃以上のところで寝かして日の当たらないところで乾燥して使う。それを大きな缶で堆肥にして使う
[453]林業の村らしく家も木で造る
[452]農協は加工品を考える。地域の物を流通さす
[438]田んぼ 24ha 転作など18ha 基盤整備8ha
[428]無農薬の野菜の作り方 ボカシ(EM菌)を作る。野菜・残飯の中に入れて有機の中に入れる。そうすると虫もわかないし病気にもならない。大きくて、甘くて、おいしい野菜ができる。(大根、人参、白菜)女性部がボカシを作っている。米のすりぬか、魚粉、米糠、EM菌、蜂蜜を入れる。
[426]地域の特産物(すいか、しいたけ、栗、ししとう、なす)を利用してこの地域の家庭料理から見つけ、売り出す。漁師市を利用して市場調査をして売れるようにする。
[425]昔は国有林70%民有地30%国有林の中で半分は自然林だった。
[424]人工林が増えたから動物被害が増えた。
[423]無農薬の野菜を作る人が多いがきれいに作るので私もいつか作りたい。
[422]西土佐村90%以上山林。林業にウエイトをおく。
[421]農地、動物の被害。県、村がなんとか対策しないとダメ
[420]農作物の有効利用。JAに引き取ってもらえなかった物の利用

動植物に関するもの
[502]イノシシ・鹿が近くでみれる 植林のしすぎで実のなる木が少ない 動物がみれる たぬきのデート最近ふえてきた。
[500]アロエは胃腸の痛いのに効く薬としてアロエを焼酎に漬けたものを旅行に行くときに持って行く。
[499]アロエは生で食べると良くない。キダチアロエは苦い 
アロエジュース(絞り汁)を飲むと宿便がとれる。
[498]アロエを化粧品に使っている。クリーム・乳液・化粧水など 最近は中国産が多い(安いから)又、乾燥した物を食品に混ぜる(健康食品)
[497]アロエの焼酎漬け 神経痛・虫さされ アロエはあくが悪いので飲み過ぎはダメといわれている。
[496]アロエはとって残しておいたものを干しておいてお風呂に入れると肌がきれいになって足・腰も痛くならない。1週間に1回くらい風呂に入れて使う
[495]アロエの使用 ジュース 化粧品 育毛剤 ヨーグルト 胃の薬 やけどのクリーム アロエを乾燥して粉末にしてふりかけにして使う
[494]アロエの切り方には工夫が必要。入浴剤として使う
[493]アロエのエキスを飲んで胃腸の調子を整える。虫や蜂にさされると塗る
[490]アロエの身は胃腸に良い。やけどにアロエを塗る

[478]夏になると白瓜の粕漬けを作る。
[477]家庭で食べる豆腐や味噌を作っている。
[476]学校の給食を作っているのでレパートリーが増えた。スパゲティミートソースが得意。かくし味が得意
[475]そぼろ丼はリクエストがあるのでよく作る
[474]愛媛の海沿いで育ったので山芋を食べるのでびっくりした。イノシシ、鹿を食べるのもびっくり
[473]しいたけの陣笠揚げ 
ミンチの中に卵・にんにく・ショウガ塩・コショウを入れて味付けし、しいたけの内側に卵の白身をぬっておいて、ミンチを密着させて油が100℃なったらしいたけの方から油に入れて後で裏返す
[472]ぼたもち 
もち米を目盛りできちんと計り塩を一緒に入れて炊く。外にきなこ・、中にあんこを入れてにぎる
[471]しばもち 
夏に作る モチ米を粉にして練って耳たぶの堅さにしてあんこを入れて丸めてカラタチ(サンキラ)の葉に包んでせいろで蒸す。生活の知恵で日持ちが良い(固くなったら又蒸せばよい)
[470]リュウキュウの酢の物が美味しい(松茸がはいるともっと美味しい)
[469]鮎の甘露煮 
塩をふり焼き、あぶって食べるのもおいしいが、あぶったものをお茶の汁につけて昆布巻きにしてカンピョウでとめて煮付けて食べる。鮎のせごしは鮎を塩で洗う。頭とはらわたをのけて、エギから輪切りにして酢と砂糖を入れてワカメ青シソを入れて食べる
[468]都会から来た人に田舎の自然の食べ物を食べてもらいたい。笹寿司 自然のきれいな笹にしいたけ・はす・たけのこ・巻きずし一パック300円 江川崎の日曜市にだすとキャンプの人に喜ばれる。こんにゃくの中にきつね寿司のようにご飯を入れて作る
[467]ツガニ 丸ごと水から鍋に入れて赤くなったら塩をいれる。これに合うのがナス・カボチャ・ハスイモ お嫁に来た頃はツガニがたくさんとれてたくさん食べていた。三杯酢につけて食べる。今は1kg2kgで買った来て冷凍しておく
[466]なまずの蒲焼き 
なまずは3枚におろし素焼きして、焼けたら醤油をつけて焼く。3回繰り返す。
[465]鮎のわたの料理 
材料 鮎のわた・タマネギ・みそ・ニンニク・人参 
作り方 鍋をあつく熱した所に鮎のわたを入れ煮た所に他の材料を入れて煮る。それに調味料・砂糖・味醂などを入れて仕上げる。
[464]やすらぎの会(農協の会)のいち飯(3升作った)大豆・つる芋・もじゃこ・人参・かまぼこで炊き込みを作って80歳以上の人、26軒の人に配っって喜ばれた。
[463]我が家の自慢料理 野菜を使った料理(自宅で作った物が多い)ミートスパゲッティ・シチュウ・ハンバーグは子供が好き こだわり ルーをつかわず手作り、料理時間1時間ぐらい、冷凍ものは肉・魚だけ
[462]ブロッコリーの香味グラタン 
ブロッコリーをかためにに茹でて耐熱容器に入れてマヨネーズを自分で好きなだけ入れる。その上ににんにくの薄切りをかけてオーブンでマヨネーズが焦げ目がつくぐらい焼く。
[461]いわしつみれ揚げ煮 
いわしをさばいてすり鉢でする。そしてピーマン・人参・ささがきごぼうを入れて丸めて揚げる。それを砂糖と醤油隠し味として酒又は味醂で味をつける。
[460]こだま会(村の主催)山菜飯 もち米で赤飯のように蒸してカヤク(たけのこ・人参・ゴボウ・しいたけなど)とカマボコを入れて3分たったら釜からおろし、大きな器に移してしゃもじで混ぜて煮汁もかける 
[436]高知県・市はお総菜が売れるところ№1らしい。でもあまり買わないようにしている。

神社等に関するもの
[489]河内神社 夏祭り7月23日秋祭り10月30日 鍋淵さんほこらで祝詞をあげる。加茂神社女人禁制鳥居ができてから入れるようになった。
[488]河内神社がこの辺りの中心たなっている
[487]河内神社がある。加茂様、なべぶろ様(土地神)小さなほこらはある。いわれはよくわからない。
[482]春 合同祝賀会(昭和31年から始めた)夏祭り 7月23日 秋祭り 10月30日 冬祭り 12月16日

地域の風習に関すること
[486]夏祭り 皿鉢・刺身・赤飯を作りおもてなしをする。秋祭り 郷土芸能・花取り踊り
[485]風習(ここがちがう) 祭り、休日 お姑さんが愛媛の為か違和感があまり感じない。葬式(神道・神式)愛媛県仏教が多い
[484]土葬はやらない、埋めるのがつらい。結婚式、葬式、組内の付き合いがあるので大変。神仏混合があるのが不思議、特に葬式で神式は不思議だ
[483]愛媛県では仏で、藤の川周辺は神式であるので違う。不幸事も喜び事も同じように神官がやるのは驚いた。仏・精進料理 神式・なんでもOK 違いにびっくり

地域芸能に関するもの
[481]5月5日に堂ヶ森の祭 相撲をしたりして面白い。中村市・十和村などと一緒にやっている。武内・稲田・今城などの姓が多い。名姓で年に1回お祭りをしている。
[480]秋祭り 花取り(無形文化財)稲田家の祭・武内家の祭・今城家の祭
[479]愛媛には「いのこ」という祭がある。ワラを束ねてたたいて家を回る。お布施の代わりにお菓子等をあげる

特異な技術を持った人々に関すること(名人芸など)
[504]竹細工 笹寿司を入れる竹かごを編む、カニをとる竹かごも作る。昔は自分の家で作る。ジゴク・コロバシなど今は安い物が出回っているので作らない
[411]面白い話や怖い話を知っている人 中平晴喜さん・武内政廣さん
[410]炭焼きの名人 稲田 勝弘さん(竹炭ご飯を炊く特に使う・こんにゃくを作るときの灰をもらって来る) 
[409]豆腐・こんにゃくの名人 芝 広美さん(85歳)石臼をやめて、もみうすにかえて体力に合わせてやっている。
[408]藤の川には器用な人が多い。少々の家なら建てる。杵、うす等も自分で作った物を使用している。これらの事を考えると人の特定はできない。
[407]豆腐づくり名人 芝 弘美さん(年のせいで今はあまり作っていない)
[406]炭焼き名人 稲田勝弘さん イノシシ狩り名人 稲田英則さん

その他
[508]米のとぎ汁 畑に捨てる 下水に炭をおく 一杯洗い物があるときは家の外で洗う 花にかけたりしてなるべく流さない 子供の時からの意識 川を守る
[507]お祭りはあまり差がない。藤の川の祭は地味である。
[506]怖い話 争いで攻められたとき女、子供を隠す所を怖い場所と言って近づかない。山の中だけどまだある。
[505]昔の遊びを教える(自然とふれあう)親子のつながり、地域のつながりの大切さを伝える。 
[501]墓で火の玉を見た。人間が一番怖いと思う
[492]学校は残して欲しい
[491]昔の方が生活楽だった。
[459]生活へ町の環境が入ってきている
[458]竹細工(おもちゃ)等の技術を残して欲しい。一日先生が学校行事であるので続けてやって欲しい
[457]伝えたいこと 自然の大切さ(世界規模で)人を殺してはいけない。親が子供を殺す(自己抑制がない)
[456]木戸姓は西土佐村では1軒
[455]武内・稲田・今城の姓が多い。それぞれの家の祭が存在している。一族が集まって食べたり飲んだりよくわからない
[454]村として手軽な食品を作る
[451]結婚していない男性が多い。子供を残して欲しい。40歳をこえると出会いもない
[450]藤の川 86世帯190名くらい 98名以上65歳以上
[449]健康の秘訣 ストレスをためない、食べる、運動をする、歩く、竹踏み
[448]親が忙しく子供に目をかけられない。昔も忙しかったけっど信じることで守られた。ビデオゲームをしてしまう。都会の子・自由な時間が少ないが有意義に遊ぶ知恵がある。田舎の子・宿題少ない
[447]アロエの会社 セールスマンがいないとダメ
[445]昔、夏は小祭が多かった。宗教的な関連もあったのでは? 今は夜遅くまで働いても蔵は建たず腹が立つ。
[444]もっと「ゆとり」のある生活 「ゆとり」とはゆっくり酒を飲んだり話したりする時間があればいい。
[443]わらぶき家多かった。都会の女性は今の藤の川で住もうと思うか不安。
[442]若い人と話をする機会が少ない。86世帯の内3世代は12~13世帯
[441]保育所の関係で江川崎に住む人がいる。
[440]子供の事が気がかり(進路の事)地元に残って欲しくない(本人希望は別)ご主人は江川崎の郵便局に勤務した。
[439]竹内智子さん ご主人・高一長女・小六長男・義母 7年前に宇和島より帰って来た。環境がのどかな所が良いが、学校の人数が少ないのは気になる。
[437]藤の川部落 86世帯190人居住中98名老齢
[435]地元に店(飲食)食2軒酒2軒。15分ぐらいで江川崎に買い物に行く。(立ち寄るって感じくらい)月1回は宇和島に行く。
[434]昔はハネコウマだったのでようけ怖い話を聞かされた。お遍路さんが白装束で立ちふさがっているという話を聞かされた。
[433]竹のリズム あんたがたどこさと言うのを3mある長い竹を2本両側で持って飛んだり跳ねたりする。子供達が昔は遊んでいた。これは良い遊びだと思う。
[431]夏休みに入る終了式の日に小学校の子供と父兄でキャンプを楽しむ。川原でナマズ・エビ・ウナギを捕まえるところからやって料理して食べることをやっていたので復活して欲しい(川崎小学校はやっている)
[430]家地川ダム 撤去したらそこから水を引いている人はどうなる。死活問題 川かさ減った・生物減った・景観変わった、一人一人が叫んでいるがどれだけ努力しているかが疑問だ。漁業の人中心でやっているけど四万十にかかわる数%にすぎない。
[429]子供に自然をつたえる。自然を生かして遊ぶことを教える。
[427]四万十川をブランドにして藤の川に産業を持ってくる