概要

大水時には水面下に沈む沈下橋。欄干がないのは、増水の際、流木などが引っ掛かって橋が壊れることを防ぐための工夫です。水面までの距離が近いので、橋からは川の様子がよくわかります。 四万十川を代表する風景です。

風景

1枚目:高樋沈下橋 / 2枚目:久万秋沈下橋 / 3・4枚目:一斗俵沈下橋 /5枚目:半家沈下橋

特徴

 増水時に川に沈む橋を沈下橋と言います。特徴はその低さと欄干がないことで、増水で出た流木などが引っ掛かって橋が壊れることがないように工夫したものです。四万十川流域は台風銀座にあり、頻繁に洪水が起きるので、沈下橋が多く採用されました。自然にあらがわず、うまく付き合いながら生きてきた四万十川ならではの川との付き合い方がうかがえる象徴的なものになっています。沈下橋が架かる風景はどこか懐かしい景色で、青い四万十川とあいまって写真映え間違いなしの景色です。津野町を除いて、流域のいたるところで沈下橋を見ることが出来ますので、ぜひ訪れてみてください。

◆なぜ四万十川には多くの沈下橋が残っているのか
全国各地で沈下橋を見ることができますが、なぜ四万十川にはこれほど多くの沈下橋があるのでしょうか。四万十川本流の沈下橋のうち、一斗俵沈下橋(旧窪川町)と里川沈下橋(旧十和村)を除いたすべてが、昭和30年代以降に架設されていて、それは流域の交通手段が筏・センバ舟・高瀬舟などの水運から、車・トラックの陸路に変わったことと大きく関係しています。高度経済成長期を迎えインフラ整備が急がれる中、橋脚が低く、欄干がなく、橋長も短い沈下橋は、建設費を低く抑えることが出来たため、高知県内河川で多く採用されました。

観光する際の注意点

・橋が沈下しているときは近づかないようにしましょう!
・一部の橋は現在も車両が通行でき、地域住民の重要な生活道でもあります!車の通行の妨げにならないように気を付けましょう!

四万十川の沈下橋一覧

個性豊かないろんな沈下橋が流域各地に点在しています。ぜひいろんな沈下橋を巡ってみてください。

沈下橋の保存

沈下橋は、自然と調和した構造物として、四万十川の魅力を形づくっている重要なもので、高知県では1998年7月、沈下橋が生活・文化・景観・親水等の観点から重要な役割を担っていると考え、「防災上、維持管理上支障のない沈下橋は保存を基本とし、生活道に加え生活文化遺産として後世に引き継ぐ」とした「四万十川沈下橋保存方針」を策定し、四万十川の沈下橋は、重点的に保存・維持管理の方針がとられることとなりました。

この「四万十川沈下橋保存方針」の対象となる橋は、四万十川にある60余りの沈下橋のうち、市町の道路・農道・林道台帳に記載され管理者がはっきりしているもので、本流に22橋、支流に26橋の合計48橋です。
※早瀬の一本橋は保存対象外です。 

基礎情報・アクセス

【見られるエリア】  四万十市・四万十町・中土佐町・梼原町
【見られる時期】   年中