漁法の選択は基本的に対象魚によりますが、時期や場所・利用する習性の違いなどによって異なった漁法も採ります。また同種の魚をとる為に時期や天候に応じ複数の漁法を駆使します。
魚種 | 区 分 |
漁法 | 漁具 | 漁期(月) | 備考 |
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アマゴ | 釣 | アメゴ釣り | 釣竿 | 6〜7 | 上流域 |
トバシ漁 | 毛針 | 4〜7 | 上流域 | ||
その他 | 筌 | 筌 | 10〜11 | 上流域 | |
カナツキ | カナツキ | 6〜7 | 上流域 | ||
ウグイ (イダ) |
釣 | イダの釣り | 釣竿 | 3中〜4中 | |
網 | タチイダ | 投網 | 3中〜4中 | ||
イタチ漁 | 網・イタチの皮 | 12中〜2 | 上流域 | ||
その他 | イダブシ | イダブシ | 10〜11 | ||
カワムツ オイカワ |
釣 | ハヤツリ | 釣竿 | 5中〜8 | |
その他 | ワリコ | ワリコ | 5中〜8 | ||
ハヤジゴク | ハヤジゴク | 5中〜8 | |||
アユ | 釣 | アユの釣り | 釣竿 | 6〜8 | |
友掛け | 釣竿 | 5中〜10中 | |||
ゴンブリ | 釣竿 | 8〜10中・11中〜12 | |||
シャクリ | 釣竿 | 8〜10中 | |||
網 | 投網 | 投網 | 6中〜10中・11中〜12 | ||
マワシウチ | 投網 | 6中〜10中・11中〜12 | 下流域 | ||
投げ網 | 投げ網 | 7中〜10中・11中〜12 | |||
注連縄(瀬張り) | 注連縄・建網・投網 | 9〜10中・11中〜12 | |||
地曳網 | 地曳網 | 9中〜10中 | 下流域 | ||
張り網 | 張り網・水中眼鏡・カナツキ | 7中〜10中・11中〜12 | |||
にごりすくい | 網 | 8 | 下流域 | ||
火振り漁 | 建網・イサリ等(火光) | 7中〜10中・11中〜1 | |||
その他 | アイニギリ | 8〜9 | 禁止 | ||
ヤナ | ヤナ | 8〜10中・11中〜12 | 禁止 | ||
鵜飼 | 鵜縄など | 6〜10中・11中〜12 | 禁止 | ||
コイ | 網 | 寒鯉漁 | カナツキ・網 | 10〜3 | |
その他 | カブセヅキ | カナツキ | 6〜9 | ||
ウナギ | 釣 | ハエナワ | ハエナワ | 4〜11 | |
スズクリ | スズクリ | 4中〜5・8 | |||
ヒゴ釣り | ヒゴ釣り | 7中 | |||
網 | 柴漬け | スクイタマ・柴 | 3中〜11 | 下流・汽水域 | |
石グロ | 網・石 | 4〜12 | 下流・汽水域 | ||
その他 | コロバシ | コロバシ | 5〜10 | ||
ウバサミ | ウバサミ | 6〜9 | |||
ゴリ (ヌマチチブ) |
網 | ガラビキ | ガラビキ・四つ手綱 | 3〜4 | 下流域 |
その他 | ブッタイ | ブッタイ・笹束 | 5〜8 | ||
のぼり落とし | ゴリウエ・立て簀 | 3〜5 | |||
エビ | 網 | エビタマ | エビタマ | 6〜9 | |
その他 | 水中銃 | 水中銃 | 7中〜8 | ||
エビツツ | エビツツ | 6〜9中 | |||
エビスクイ | ソウケ | 4〜6 | |||
アオノリ | その他 | アオノリ漁 | アオノリカキ | 10中〜2・5中 | 下流・汽水域 |
モクズガニ | 釣 | カニ釣り | カニ釣り | 9 | 増水時 |
その他 | カニジゴク | カニジゴク | 9中〜10 | ||
クロダイ (チヌ) |
釣 | 餌釣 | 釣竿 | 9〜2 | |
その他 | チヌカゴ | チヌカゴ | 5〜9 | 汽水域 |
3~4月のゴリが遡上し始めた頃、サザエの貝殻を300kgほど付けたロープの両端を2人で持ち、上から引きずってサザエの光と音でゴリを脅し、下にしかけた四つ手網にゴリを追い込む漁です。
下流から汽水域で8月~10月に水が出た時、下りウナギを獲る漁。椎やヤマモモの枝の束で作った柴を潮境に沈めておき、ウナギやエビが入った柴をスクイタマで上げます。
餌を入れた仕掛けを水中に浸け、ウナギを誘導して捕獲するウエ(筌)漁の一種。餌はミミズが主ですが大型のウナギにはアユやハヤ・エビを用います。
カナツキは数本の返しの付いた鉄製の矢に竹の柄を付けたもので、大きさや長さは対象魚により様々です。コイ漁では設置した日覆いに集まるコイを突くカブセヅキや、網を併用する寒鯉漁が行われます。
12月下旬から2月に行われるウグイ(イダ)漁で、イダがこもっていそうな岩に網を巻きイタチの皮を岩の穴に差し込むと、イタチの臭いを嫌ったイダが穴から出て網にかかります。
フチオキ網ともいう数張りから十数張りもの建網を淵や瀞に仕掛け、月のない暗夜に火を振ってアユをおどし網に誘い込む漁。大量にとれるため免許を持つ一部の漁業者のみに許されており、上流域では漁区も限られています。漁期は7月~10月15日と、11月15日から年末ですが禁漁前の1ヵ月と解禁からの1週間が勝負といわれます。火光には松明や電球を用い、川面に火が揺れるさまは四万十川の風物詩ともなっています。
漁期5月15日から10月15日までの昼の漁。竿につけたオトリアユを川のアユの縄張に誘い込ませ、なわばりに侵入した他の魚を追い払うアユの習性を利用して、かけ針にかけるアユ漁としては最も一般的な漁。アユの釣り漁としては6月から8月の餌釣り、餌なしのかけ釣りのジャビキ、錘が川底を転がる音に驚くアユを掛けるゴンブリなどがあります。
代表的な網漁として、川に張った縄に脅え川縁に寄ってくるところに投網を打つ注連縄、20mほどの網を投げ込んだ後竹竿で水面を叩き網に追い込むタタキ網、出水時に河岸に身を寄せるアユをすくうニゴリクミ、網を張りわたした川底のすき間に筒を仕掛けるセバリ、網を張り渡し朝になって引き上げる建網、アユの群れに打つ投網や投げ網、20~30隻の船から投網を次々と打つマワシウチ、産卵のために下ってくるアユの群れを囲み河原へ引き上げる地曳網などがあります。
アユをとる網。上端に浮子、下端に錘がつく。上流と下流に張り、水面を叩いて脅し、アユを張り網にかける。漁期は5月中旬~8月。
アユなどをとる網。錘が鎖状である。上流域の投網の長さが2m50cmなのに対してこの下流域の投網は長さが4mある。裾回りも20mと大きい。下流や汽水域付近では、集団で順に投網をうつマワシウチが行われている。
柴漬けでウナギやエビをとる網。柴は椎やヤマモモの枝の束。漬けておいた柴をあげるときに、このスクイダマを柴の下に敷き、柴をゆすってスクイダマの中にウナギやエビを落とす。3月下旬~11月の漁。山に入ったときに二股になった木をさがして自分でつくる。